2-2. 【まとめ】日銀短観

【経済動きはじめ!?】2020年12月発表の日銀短観をわかりやすく解説

20201216_日銀短観

 どうも、あおりんご(@aoringo2016)です。

 

2020年12月14日に日銀から短観が発表されました。

今回の調査対象となっている2020年11月~12月は、人の行動がコロナウイルスから徐々に動き出し、経済が回ってきた期間のでありました。

そのため今回の日銀短観は、前回10月に発表された日銀短観から経済が動き出したことが見れました。

 

それでは、順にみていきましょう。

【日銀短観 解説のバックナンバー】

【経済上向き!!】2020年10月発表の日銀短観をわかりやすく解説

【まとめ】2020年7月発表の日銀短観をわかりやすく解説

【まとめ】2020年4月発表の日銀短観をわかりやすく解説

【まとめ】2019年12月発表の日銀短観をわかりやすく解説

【まとめ】2019年10月発表の日銀短観をわかりやすく解説

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日銀短観の見方

日銀短観の見方や説明はこちらで紹介しておりますのでご覧ください。

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【わかりやすく解説】日銀短観を読む上で抑えるべき3つのポイントとは どうも、あおりんごです。   みなさん、「日銀短観」という資料はご存知でしょうか。 なかなか触れたことがない、見たことがないという方も...

業況判断DI

まずは、業況判断DIです。

業況判断D.I.
図1. 業況判断D.I.
出典:日本銀行
業況判断D.I.(続)
図2. 業況判断D.I. (続)
出典:日本銀行

今回発表された業況判断DIより、全産業で日本の経済が回復傾向にあることがわかりました。

今回の調査対象となっている2020年11月~12月は、人の行動がコロナウイルスから徐々に動き出し、経済が回ってきた期間のでありました。

 

そのため、数字上でもわかるように日本の経済が動き出しつつあります。

コロナショックによって止まっていた経済は2020年春から考えると、約7ヶ月ほどと言えるでしょう。

 

とくに鉄鋼や非鉄金属は、中国経済が上り調子であるのでかなり回復していることが数字からわかります。

今回の短観では、主に製品の原料生産がメインとなる「製造業」の上向きが確認できました。

 

サービスや宿泊関係は以下の通りです。

  • 対個人サービス:-43(前回比 22)
  • 宿泊・飲食サービス:–66(前回比 21)

10月の日銀短観まとめでもお伝えしましたが、政府が国家予算を組んでGoToキャンペーンGoToイートを打ち出した結果、宿泊・飲食サービスなどのビジネスは前回発表時の月から大きく回復しました。

 

しかしながら、2020年12月半ばに、政府はGoToキャンペーンなどを年末年始にかけて中止することを決定しました。

私の友人も年末年始はスキー旅行行くと言っていましたが、それが中止となり、落胆しております。

旅行業界も回復できる兆しが見えてきた矢先の発表だったため、落ち込んでいる人々は多いのではないでしょうか。

ここからは企業の体力勝負となります。どれだけ企業が存続できるだけの貸借対照表が備わっているのか、にかかってきそうです。

<関連>【お金の知識をわかりやすく】人生で大切な貸借対照表とは

 

次に、チャートで見てみましょう。

業況判断DIの推移(製造業)
図3. 業況判断DIの推移(製造業)
出典:日本銀行

製造業では、中国経済好調からかコロナショックから回復しはじめていることが図3.チャートのからわかります。

業況判断DIの推移(非製造業)
図4. 業況判断DIの推移(非製造業)
出典:日本銀行

非製造業も、製造業と同様にコロナショックによる経済停滞の底を打ち、回復傾向にありますが、サービス業や宿泊関係の回復が弱いためか、数字の戻りが小さいように見えます。

需給・在庫・価格判断

つづいて、需給・在庫・価格判断を見ていきましょう。

需給・在庫・価格判断
図5. 需給・在庫・価格判断
出典:日本銀行

図5.需給・在庫・価格判断より、変化幅を見ると10月の日銀短観発表時よりも、モノが動き出しつつあることがわかります。

販売価格や仕入れ価格も徐々に上り調子になっていることから、企業の売上も回復しつつあり、最終的には物価の上昇につながるでしょう。

<関連>【日本の経済指標】消費者物価指数とは?わかりやすく解説

設備投資など

設備投資・研究開発投資額

つづいて、設備投資・研究開発投資額を見ていきましょう。

設備投資・研究開発投資額
図6-1. 設備投資・研究開発投資額
出典:日本銀行

設備投資額は、マイナスが目立ちます。

コロナショックにより企業や人の動きが戻りつつあるものの、先行き不安のためか設備投資まで行うことは時期尚早といったところでしょうか。

いつもお伝えしていますが、設備投資は、国民の一般消費の次に大きな消費のひとつです。

そのため、この数字がより活性化されてくると日本も活気付くでしょう。

設備投資・研究開発投資額
図6-2. 設備投資・研究開発投資額
出典:日本銀行

研究開発投資額に関しては、全企業において下方修正があるものの、非製造業は継続して設備投資していることがわかります。

ソフトウェア投資額

ソフトウェア投資額を見ましょう。

ソフトウェア・研究開発を含む設備投資額
図7-1. 設備投資・研究開発投資額
出典:日本銀行
ソフトウェア投資額
図7-2. 設備投資・研究開発投資額
出典:日本銀行

前回の10月の日銀短観発表時に「ソフトウェア投資額の上向くは予想」と考えていましたが、全産業において下方修正していることがわかります。

菅首相が脱ハンコなどを進めるために、日本で “やっと” ITの進歩が見られるでしょう。

しかし、前回に引き続き足元の数字を見てみると消極的であることから、また日本の産業が世界から遅れをとっていくのでは、、と不安になります。

 

日本は、制度や環境が変わらなければ、変わろうとしません。

自分で変わろう、変えていこうという意思がとても低いように思います。

土地投資額

設備投資の最後に、土地投資額を見ていきましょう。

土地投資額
図8. 土地投資額
出典:日本銀行

ソフトウェアなどのIT関係とは反対に、土地投資額は上方修正しています。

「土地が安い!」という判断のもと、お金が不動産に動いているように見えます。

資金繰り・金融貸出態度

最後に、企業の資金繰りと金融貸出態度を見ていきましょう。

企業の資金繰り

企業の資金繰り判断
図9. 企業の資金繰り判断
出典:日本銀行

企業の資金繰りは、上向き始めています。

政府の経済対策による資金提供のおかげでしょうか。

<関連>【コロナ対策の給付金は国債】成立した2020年度補正予算と財源をわかりやすく解説

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金融機関の貸出態度判断

金融機関の貸出態度は、金融機関のお金の貸出が「ゆるい気持ち」か「きびしい気持ち」かの判断です。

金融機関の貸出態度判断
図10. 金融機関の貸出態度判断
出典:日本銀行

現状の金融機関の貸出は「ゆるい」と判断されています。

 

個人的に、金融機関の貸出がゆるい原因は、大きく投資をして会社を大きくするためのお金の需要が日本の民間企業に少なく、お金の借り手が少ないと考えています

まとめ

今回は2020年12月14日に日銀から発表された日銀短観をみてきました。

 

中国経済の好調により、日本経済も製造業を中心に徐々に回復しつつあることがわかりました。

しかしながら、先日発表されたGotoキャンペーンなどの停止により、旅行や宿泊関係は厳しいと見れます。

 

早く日本経済が今以上に活性化されることを祈っています。

あおりんご