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【金融の理解で差をつける】図解による日銀の買いオペ売りオペとは

買いオペ売りオペのしくみ13

どうも、あおりんごです。

みなさん、日本銀行買いオペ・売りオペって聞いたことありますか?

「日銀が買いオペを実施」とかよくニュースなんかでよく聞くかと思います。

ですがこの買いオペや売りオペについて本当に理解している方は、実は少ないのではないでしょうか。

そこで今回はむずかしい金融ニュースをまわりの人よりも理解して差をつけるために、日本銀行買いオペと売りオペについてご説明したいと思います。

日本銀行の役割1
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日銀のオペレーションとは

日銀の買いオペ・売りオペとは、つまり日銀のオペレーションのことを言います。

またその役割は次のことです。

日銀のオペレーション

  • 買いオペ:日銀が債券などを市場から買うこと
  • 売りオペ:日銀が債券などを市場へ売ること

日銀の買いオペ、売りオペは通貨の流通量を調節する公開市場操作のひとつ

※オペ:オペレーションの略

つまり日銀は買いオペや売りオペをすることによって世の中にあるお金の量をコントロールしているということです。

それでは詳しく説明していきます。

日銀の買いオペレーション

買いオペレーション(買いオペとは

買いオペとは、中央銀行(日本では日銀)が民間銀行(都銀や地銀)などの金融機関がもつ国債(発行元:政府)やその他CP、手形などの有価証券を買い取ることをいいます。

買いオペの仕組み

まず、買いオペの説明に入るまえに、政府が発行する国債が民間銀行まで渡るスキームを解説します。

 

図2.のように3つの貸借対照表(BS)を並べます。

  1. 政府
  2. 日本銀行
  3. 民間銀行
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図2. 政府、日銀、民銀の貸借対照表

政府と日銀の関係性については以下の記事で解説していますのでご覧ください。

日本政府の貸借対照表
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最初に、政府が国債を発行します。

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図3. 買いオペ売りオペのしくみ

次に、政府から国債が発行されれば、民間銀行などの金融機関は国債を買います。

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図3. 買いオペ売りオペのしくみ

金融機関が政府が発行する国債を買う理由については以下の記事で説明しています。

国債のしくみ
【図解】日本政府が発行している国債についてわかりやすく解説 どうも、あおりんごです。 みなさん、日本政府が発行している国債についてしっかりと理解されていますでしょうか。 ニュースなんかでよく...

図4. のように市場に出た国債は民間銀行が購入することによって国債を資産として保有している状態となります。

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図4. 買いオペ売りオペのしくみ

図4. の状態では、世の中のマネーストックも増えることになります。

 

ここからが日銀による買いオペの説明です。

そのスキームは以下のとおりです。

買いオペとは日銀が市場から国債を買い取って引き受けることでした。

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図5. 買いオペ売りオペのしくみ

図5. のように日銀が民間銀行の国債を買い取り、資産として保有します。

支払うお金は、準備預金制度の理由から民間銀行が必ず日銀に開いている日銀当座預金に入金されます。

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図6. 買いオペ売りオペのしくみ

そして、図7.のように引き受ける際に支払う発行銀行券(ぼくたちが普段使っている紙幣、つまりお金)が日銀当座預金に入金されます。

買いオペ売りオペのしくみ13
図7. 買いオペ売りオペのしくみ

このときお金は市場(ここでは民間銀行)に流れていきます。

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図8. 買いオペ売りオペのしくみ

この国債(広い意味で有価証券)の流れ日銀が行う買いオペのスキームでした。

ちなみに、このように日銀が国債を買い取ることによって市場にお金が流れることを別の言い方で金融緩和と言います。

金融緩和

日銀が市場にある国債を買い取ることで、その日銀からの支払うお金が市場にながれること

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図9. 買いオペ売りオペのしくみ

日銀の売りオペレーション

売りオペとは

一方で売りオペはその逆にあたり、中央銀行が民間銀行などの金融機関へ有価証券を売ることをいいます。

売りオペの仕組み

ここから売りオペにしくみについて図で解説していきます。

図10. のように、国債は日銀が保有している状態です。

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図10. 買いオペ売りオペのしくみ

ここで図11. のように日銀が国債を民間銀行に売っていきます。

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図11. 買いオペ売りオペのしくみ

日銀が民間銀行に売った国債の代金を、民間銀行が日銀に支払います。

民銀は国債を資産として保有します。

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図12. 買いオペ売りオペのしくみ

このとき買いオペによる金融緩和で世の中に出回っていたお金が吸収されていきます。

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図13. 買いオペ売りオペのしくみ
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図14. 買いオペ売りオペのしくみ

図13. で世の中のお金が日銀によって吸収され 図14.で落ち着きます。

以上が売りオペのスキームでした。

買いオペによる金融緩和とは反対に、日銀が民銀に国債を売ることによって市場からお金が吸収されることを別の言い方で金融収縮と言います。

金融収縮

日銀が市場に国債を売ることで、受け取ったお金は市場から引き上げられること

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図15. 買いオペ売りオペのしくみ

世の中のお金は増えているのか

さてここで本当に世の中のお金が増えているのか、が気になりますよね。

結論から言うとぼくたちの社会には流れてきておらず、世の中のお金の量が増えていないことが現状です。

つまり、日銀当座預金マネタリーベースは増加していますが、マネーストックは増加していないことになります。

またマネタリーベースとマネーストックの違いについては以下で解説していますのでご覧ください。

マネタリーベースとマネーストック
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まとめ

さて今回は日銀の買いオペ・売りオペに関してご紹介しました。

ポイントは

  • 日銀の買いオペは公開市場操作(オペレーション)のひとつ
  • 日銀の買いオペによりお金の量が多くなり、売りオペによりお金の量は減る
  • 現状は日銀当座預金のお金の量が多くなっているのであって、世の中のお金の量は増えていない

政府の発言や日銀の総裁の発言によって、市場がどのように動くのかとてもよくわかります。

とくに「お金の動きは人の動き、人の動きはお金の動き」なのでニュースでも注目していきたいところです。

昭和初期におこった金融危機についても非常におもしろいので、ぜひ参考にしてみてください。

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