1-1. 日本の経済

国家破綻はウソ?健全運営する日本政府の財務諸表を最新データで分析

日本政府の貸借対照表

どうも、あおりんご(@aoringo2016)です。

 

先日、2019年度の日本政府の決算が発表されました。

そこで今回は最新版の日本政府の財務諸表をご紹介します。

この記事のポイント3つ

  • 日本政府の資産と負債の構成がわかる
  • 日本政府の財源と支出がわかる
  • 日本政府は税金と国債発行を使って国家運営している

日本政府の財務諸表を時系列で分析

日本政府の貸借対照表

まずはじめに日本政府の貸借対照表です。

日本政府の貸借対照表
グラフ1. 日本政府の貸借対照表

グラフ1. は日本政府の2009年度から直近2019年年度までの貸借対照表の推移です。

<関連>【絶対わかる】会社の貸借対照表(BS)とは?わかりやすく図解

日本政府の貸借対照表からは以下の3つのポイントがわかります。

  1. 日本政府の貸借対照表は負債超過
  2. 負債の約70~80%が国債
  3. 資産は有価証券、貸付金、公共施設

それではひとつひとつ解説していきます。

ポイント1. 日本政府の貸借対照表は負債超過

日本政府の貸借対照表はそもそもが債務超過です。

いわゆる「国民の借金が約1,000兆円」とニュースでも報道されている点がこの理由です。

債務超過とは、つまり負債の方が資産よりも多いということです。

企業であれば債務超過は許されません。

銀行などの金融機関から借りたお金は必ず返さないと行けないからです。

 

一方で、日本政府は債務超過の問題が発生しないのです。

次のポイント2.で説明する国債にあります。

ポイント2. 負債の約70~80%が国債

日本政府の貸借対照表の負債は国債であることがわかります。

<関連>【95%の国民が知らない】日本政府が発行している国債とは?その仕組みをわかりやすく図解

これはどういうことかというと、日本政府が発行する国債は、日本銀行が資産として国債を保有しているということです。

 

したがって、日本政府が負債として発行する国債を日本銀行が資産として買い取って(買いオペして)います

<関連>【わかりやすく図解】日本銀行が行う買いオペと売りオペとは?

 

日本銀行の出資者(いわゆる株主)は日本政府となるので、連結会計すれば資産と負債は相殺され、日本政府の債務超過は解消されるという仕組みになります。

<関連>【日銀の株主は誰?】実は上場している日本銀行の株主とは

 

ちなみに買いオペした資産である国債は、日銀当座預金として日本銀行の負債となります。

<関連>マイナス金利も関係する日銀当座預金とは?この仕組みをわかりやすく

 

また、日銀当座預金は紙幣となって世の中に流れていくため、ぼくたちの普段の生活のお金として使われています。

<関連>あなたが知らないマネーストック統計とは?推移データでわかりやすく図解

ポイント3. 資産は有価証券、貸付金、公共施設

次に政府の貸借対照表の資産科目を見ていきましょう。

日本政府の資産科目は大きく3つにわけられます。

  • 有価証券(120兆円)
  • 貸  付  金(108兆円)
  • 公共施設(150兆円)

有価証券は主に外国債と外国債以外の外貨証券で構成されています。

そのため日本政府は外国の債権(資産)を約120兆円分を持っているということになります。

 

また貸付金の約50%は地方公共団体、日本政策金融公庫に貸し付けられています。

最後に公共施設ですが、治水や道路、海岸、港湾が内訳となっています。

日本政府の年度収支

次に日本政府の年度収支です。

いわゆる損益計算書にあたります。

日本政府の年度収支
グラフ2. 日本政府の年度収支

グラフ2. は日本政府の2009年度から直近2019年年度までの年度収支の推移です。

日銀の損益計算書からは以下の3つのポイントがわかります。

  1. 年度収支は業務収支と財務収支からなる
  2. 業務収支は国民から徴収、分配されたお金の計算表
  3. 財務収支は国債などの金融から集めたお金の計算表

それでは解説していきます。

<関連>【絶対わかる】会社の損益計算書(PL)とは?わかりやすく図解

ポイント1. 年度収支は業務収支と財務収支からなる

グラフ2. からわかるように日本政府の年度収支

  • 業務収支
  • 財務収支

からなりたっています。

2009年度と2015年度は財務収支がマイナス計上となったため、白枠赤文字で記載しています。

ポイント2. 業務収支は国民から徴収、分配されたお金の計算表

日本政府が公表する業務収支とは以下のとおりです。

日本政府の業務収支

業務収支とは、国民から徴収し、分配するお金のこと。

業務収支 = 財源合計 – 業務支出合計

日本政府の業務収支内訳
グラフ3. 日本政府の業務収支内訳

グラフ3. は政府の業務収支の内訳を示しています。

さらに、財源合計と業務支出合計は大まかに以下で構成されています。

【財源合計:主な国民から徴収されるお金】

  • 税   金(約 64兆円)
  • 社会保険料(約 65兆円)

【業務支出合計:主な分配されるお金】

  •    人  件  費    (約   5兆円)
  • 基 礎 年 金 給 付(約 23兆円)
  • 国 民 年 金 給 付(約0.4兆円)
  • 厚 生 年 金 給 付(約 24兆円)
  • 保険料等交付金 (約 10兆円)

一般的な政府の財源と分配の議論はここまでで終わります。

しかし、日本政府の大きな財源は実はもうひとつあります。

それが財務収支です。

ポイント3. 財務収支は国債などの金融から集めたお金の計算表

日本政府が公表する財務収支とは以下のとおりです。

日本政府の財務収支

財務収支とは、主に日本政府の国債発行と償還により生まれたお金のこと

財務収支 = 国債発行の収入 – 国債償還の支出

上記したように、日本政府が国債を発行し、日本銀行に買わせることによって生まれる収入です。

これは最終的に日本政府にシニョリッジとして返ってくる仕組みです。

<関連>日銀の通貨発行益(シニョリッジ)と国債の利子とは?わかりやすく図解

これは2020年春先に世界を襲った新型コロナウイルス感染症の各補償として、2020年4月から2020年6月までに新たに2回組まれた補正予算の財源も国債発行により得ています。

実は、ぼくたちが手にした10万円給付も日本政府の国債によるものなのです。

<関連>【コロナ対策の給付金は国債】成立した2020年度補正予算と財源をわかりやすく解説

<関連>【コロナ対策】成立した2020年度第二次補正予算と財源をわかりやすく解説

 

このように日本政府は税金や社会保険料の収入源だけでなく、国債発行も駆使して国家運営の財源を賄っています。

いわゆる、MMT

MMTが一度一世を風靡しました。

これに関しては以下の記事をご覧ください。

図11. MMTの解説
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日本政府と日本銀行の関係性

日本政府と日本銀行の関係性については、以下の記事をご覧ください。

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まとめ

今回は最新版の日本政府の財務諸表をご紹介しました。

この記事のポイント3つ

  • 日本政府の資産と負債の構成がわかる
  • 日本政府の財源と支出がわかる
  • 日本政府は税金と国債発行を使って国家運営している

あおりんご