2-1. 日本銀行とその役割

わかりやすく図解!マネタリーベースとマネーストック統計の違いと関係性とは

マネタリーベースとマネーストック2

どうも、あおりんご(@aoringo2016)です。

 

あなたは、マネタリーベースマネーストックのこの2つがどう違うのか知っていますか?

ニュースではよく耳にするものの、どっちがどっちなのか違いをはっきりわかっていない人がとても多いです。

 

この難しいワードのたった1つの違いは、どの銀行がどこにお金を流しているのかということです。

 

そこで今回は、マネタリーベースとマネーストックの違いについてわかりやすくご紹介したいと思います。

この記事のポイント3つ

  • マネタリーベース:日銀から世の中に流すお金の量、マネーストック統計:民間銀行から世の中に流すお金の量
  • 2003年から2019年までの広義流動性の増加のうち日銀当座預金の増加は約72%を占める
  • マネーストック統計(広義流動性)を増やさなければマネタリーベースを増やしても意味がない

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どっちがどっち?マネタリーベースとマネーストック統計のたった1つの違いと関係性

マネタリーベースとマネーストック統計の1つの違い

マネタリーベースとマネーストック統計のたった1つの違い

  • マネタリーベース:日銀が民間銀行を含む、世の中全体に流しているお金の量
  • マネーストック統計:民間銀行が世の中全体に流しているお金の量

これらマネタリーベースマネーストック統計のたった1つの違いは、どの銀行がどこにお金を流しているのかということです。

マネタリーベースとマネーストック統計の関係性

このようにマネタリーベースとマネーストック統計には、中央銀行(日本銀行なのか、民間銀行なのか、どの銀行がどこにお金を流しているのか明確な違いがあることがわかりました。

一方で、この2つの関係性もあります。

マネタリーベースとマネーストック統計の関係性は、以下の図1.で表せます。

マネタリーベースとマネーストック
図1. マネタリーベースとマネーストックの違い

図1.より

となっています。

したがって、2つの関係性はマネタリーベースはマネーストック統計の一部であるということです。

マネタリーベースとマネーストック統計の時系列データ

次に、マネタリーベースとマネーストック統計のそれぞれの時系列データをグラフで見ていきましょう。

広義流動性
グラフ1. 広義流動性の時系列データ
M1の時系列データ
グラフ2. マネーストック統計のM1にあたる時系列データ
日銀当座預金の時系列データ
グラフ3. 日銀当座預金の時系列データ

2012年から急激にM1と日銀当座預金が伸びていることがわかります。

これは2010年代に積極的に行われた日本銀行の黒田総裁が行った黒田バズーカの結果、M1と日銀当座預金が増加したことを示しています。

 

グラフ1.とグラフ2.をまとめると、

  • 【グラフ1】マネーストック統計の広義流動性の増加量:+539兆円
  • 【グラフ2】マネーストック統計のM1にあたる預金通貨の増加量:+330兆円
  • 【グラフ3】マネタリーベースにあたる日銀当座預金の増加量:+386兆円

ということです。

さらに、2003年から2019年までの広義流動性の増加量のうち日銀当座預金の増加量は71.6%を占めています。

マネタリーベースとマネーストック2
図2. マネタリーベースとマネーストックの違い

これらのグラフデータから言えることは3つのポイントです。

3つのポイント

  1. マネーストック統計の増加はM1にあたる預金通貨(マネタリーベースの日銀当座預金)のみ
  2. M1から広義流動性まで増えているわけではない。
  3. マネタリーベースを増加させても広義流動性まで増えていないことから世の中に出回るお金は増えない

まとめ

今回はマネタリーベースとマネーストックと統計についてご紹介しました。

この記事のポイント3つ

  • マネタリーベース:日銀から世の中に流すお金の量、マネーストック統計:民間銀行から世の中に流すお金の量
  • 2003年から2019年までの広義流動性の増加のうち日銀当座預金の増加は約72%を占める
  • マネーストック統計(広義流動性)を増やさなければマネタリーベースを増やしても意味がない

あおりんご

出典

出典:日本銀行データベース