2-3. 【まとめ】金融政策決定会合

【2020年7月まとめ】日本銀行による金融政策決定会合の内容とは

2020年7月 金融政策決定会合

どうも、あおりんご@aoringo2016です。

 

先日、2020年7月14日(火)、15日(水)に日本銀行金融政策決定会合を行いました。

その金融政策決定会合の内容をまとめましたのでご紹介したいと思います。

この記事のポイント3つ

  • 新型コロナウイルス感染症により日本の景気は厳しい
  • 2020年6月の会合と大きな方針転換はなし
  • 引き続き大規模な金融緩和は維持

<関連>【2020年6月まとめ】日本銀行による金融政策決定会合の内容とは

日本銀行の金融政策決定会合の内容とは

金融政策決定会合のポイント3つ

今回の金融政策決定会合では引き続き「新型コロナウイルス感染症の影響により日本の景気は厳しい状況」であると示されました。

一方で、日本銀行が掲げている「消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超える」拡大方針は継続するとのことです。

<関連>【2020年5月度 発表】日本の消費者物価指数(CPI)とその推移とは

そこで日本銀行の動きとしてのポイントは引き続き以下の3つになります。

  1. 長短金利操作
  2. 上限なき国債の買い入れ
  3. 資産買い入れ

① 長短金利操作(イールドカーブカーブ・コントロール)

日銀当座預金内の短期金利

短期金利とは、日銀当座預金内の金利のことを指します。

今回も黒田総裁は金融政策決定会合にて、引き続き日銀当座預金政策金利残高に–0.1%のマイナス金利を適用することを示しました。

 

日銀当座預金は黒田バズーカにより膨張したお金を抑制するために3層構造をつくっています。

日銀当座預金残高の構造
図1. 日銀当座預金残高の構造

マイナス金利!!!」と騒がれていますが、事実は図1.のように日銀当座預金内のほんの一部にしかマイナス金利は適用されていません。

<関連>【わかりやすく図解】日本銀行の日銀当座預金とマイナス金利の関係性とは?

10年物国債の長期金利

長期金利とは、日本政府が発行する日本国債10年物国債を指します。

こちらも今までと同様に、引き続きこの金利をゼロ%程度で推移するようにコントロールすると示し、10年物日本国債の金利はかなり低水準で推移しています。

<関連>【95%の国民が知らない】日本政府が発行している国債とは?その仕組みをわかりやすく図解

 

これらの長短金利を操作して、金利誘導することをイールドカーブ・コントロールといいます。

② 上限なき国債の買い入れ

さて、黒田総裁は今回の金融政策決定会合でも上記したイールドカーブ・コントロールを行うために「10年物国債を上限なしに買い続ける」ことを示しました。

つまり日本政府が発行する国債買いオペするということです。

<関連>【わかりやすく図解】日本銀行が行う買いオペと売りオペとは?

日本銀行が金融政策決定会合にて上限なしに国債買いオペする理由としてイールドカーブ・コントロールに加えて、2020年6月12日(金)に国会で可決された第二次補正予算にて、新型コロナウイルス感染症への経済対策に必要な財源を国債から確保することを決めたことも関係があります。

<関連>【コロナ対策】成立した2020年度第二次補正予算と財源をわかりやすく解説

 

日本政府と日本銀行が同じ方向に進んではじめて、日本政府の経済対策と日本銀行の金融政策の効力が生まれます

また日本政府と日本銀行連結会計の貸借対照表で相殺されるため「国債は日本国民の借金」というものではなくなります。

日本銀行は日本政府が行う経済対策のバックアッパーとして金融政策を行うということになります。

<関連>【誰も知らない経済と金融】日本政府と日本銀行の貸借対照表からみるお金の動きとその仕組とは

③ 資産買い入れ

今回の金融政策決定会合でも改めて国債以外の資産買い入れを継続することを示しました。

ここでいう資産とは以下の2点を指します。

  1. ETFおよびJ-REIT
  2. CPおよび社債

 

2020年6月の金融政策決定会合と同様に、ETFおよびJ-REITに関しては

  • ETF:年間12兆円
  • J-REIT:年間0.18兆円

を買い入れていくことを示しています。

 

またCPおよび社債に関しても

  • CP:約2兆円の残高
  • 社債:約3兆円の残高

を維持しながら、2021年3月末までの間にそれぞれ7.5兆円の残高を上限に買い進めていく方針のようです。

<関連>【わかりやすく図解】日本銀行によるETF買い入れとその仕組みとは

まとめ

2020年7月14日(火)、15日(水)に日本銀行金融政策決定会合を行いました。

その金融政策決定会合の内容をまとめましたのでご紹介したいと思います。

この記事のポイント3つ

  • 新型コロナウイルス感染症により日本の景気は厳しい
  • 2020年6月の会合と大きな方針転換はなし
  • 引き続き大規模な金融緩和は維持

現状の日本の経済と金融は引き続き非常に厳しい状況が続いております。

しかしながら日本政府と日本銀行はリーマンショックを超える経済対策と金融政策を行っています。

今あることに感謝し、みんなで前に進んでいきましょう。

あおりんご