どうも、あおりんご(@aoringo2016)です。
先日、2020年6月15日(月)、16日(火)に日本銀行が金融政策決定会合を行いました。
その金融政策決定会合の内容をまとめましたのでご紹介したいと思います。
- 新型コロナウイルス感染症により日本の景気は厳しい
- 政府の経済対策と歩調を合わせる印象
- 引き続き大規模金融緩和は維持
金融政策決定会合の内容とは
金融政策決定会合のポイント3つ
今回の金融政策決定会合では改めて「新型コロナウイルス感染症の影響により日本の景気は厳しい状況」であると示されました。
そこで日本銀行の動きとしてのポイントは以下の3つになります。
- 長短金利操作
- 上限なき国債の買い入れ
- 資産買い入れ
① 長短金利操作
日銀当座預金内の短期金利
短期金利とは、日銀当座預金内の金利のことを指します。
そして今回黒田総裁は金融政策決定会合にて、引き続き日銀当座預金の政策金利残高に–0.1%のマイナス金利を適用することを示しました。
日銀当座預金は黒田バズーカにより膨張したお金を抑制するために3層構造をつくっています。
「マイナス金利!!!」と騒がれていますが、事実は図1.のように日銀当座預金内のほんの一部にしかマイナス金利は適用されていません。
詳しくは以下の記事で解説しておりますのでご覧ください。
10年物国債の長期金利
長期金利とは、日本政府が発行する日本国債の10年物国債を指します。
こちらも今までと同様に、引き続きこの金利をゼロ%程度で推移するようにコントロールすると示しました。
日本国債はかなり低水準で推移しています。
国債に関しては以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧下さい。
② 上限なき国債の買い入れ
さて、黒田総裁は今回の金融政策決定会合でも「10年物国債を上限なしに買い続ける」ことを示しました。
<関連>【わかりやすく図解】日本銀行が行う買いオペと売りオペとは?
なぜ日本銀行が金融政策決定会合にて改めて上限なしに国債を買いオペすることを示したのかというと、2020年6月12日(金)に国会で可決された第二次補正予算にて、新型コロナウイルス感染症への経済対策に必要な財源を国債から確保することを決めたからです。
日本政府と日本銀行が同じ方向を向いてはじめて、日本政府の経済対策と日本銀行の金融政策の効力が生まれます。
日本政府がやろうとしている経済対策に、日本政府の子会社である日本銀行が乗らないわけにはいきません。
ちなみに「国債は借金だ!将来のツケだ!」と言う方もいらっしゃいますが、それは反対に日本銀行の資産でもあります。
誰かの借金は誰かの資産です。
どういうことかというと、日本政府と日本銀行は連結会計の貸借対照表で相殺されるためです。
この内容に関しては以下の記事で数字とグラフを用いて詳しく解説していますので、合わせてご覧下さい。
③ 資産買い入れ
今回の金融政策決定会合にて改めて国債以外の資産買い入れを継続することを示しました。
ここでいう資産とは以下の2点を指します。
- ETFおよびJ-REIT
- CPおよび社債
ETFおよびJ-REITに関しては
- ETF:年間12兆円
- J-REIT:年間0.18兆円
を買い入れていくことを示しています。
またCPおよび社債に関しては
- CP:約2兆円の残高
- 社債:約3兆円の残高
を維持しながら、2021年3月末までの間にそれぞれ7.5兆円の残高を上限に買い進めていくことを金融政策決定会合にて示しました。
ETFなどの資産買い入れをに関しては以下の記事をご覧ください。
まとめ
2020年6月16日(月)、17日(火)に日本銀行が行った金融政策決定会合の内容をまとめてご紹介しました。
- 新型コロナウイルス感染症により日本の景気は厳しい
- 政府の経済対策と歩調を合わせる印象
- 引き続き大規模金融緩和は維持
現状の日本の経済と金融は非常に厳しい状況が続いておりますが、リーマンショックを超える経済対策と金融政策を行っているなかで、これは評価するべき点であると考えています。
給付金やマスクの遅れはあるものの、これらの対策がなければ本当に2010年~2011年のようなドン底にまで落っこちているのではないか、、と恐ろしい状況が簡単に思い浮かびます。
世界の経済が早く戻ってくることを祈っています。
あおりんご