2-1. 日本銀行とその役割

【わかりやすく図解】日本銀行によるETF買い入れとその仕組みとは

日銀によるETF等の買い入れの仕組み

どうも、あおりんごです。

2012年末に民主党政権から安倍政権に変わったと同時に、黒田氏が日本銀行(日銀、BOJ)の総裁に招聘され、彼が金融緩和政策を行い始めてから約6年ほど経ちました。

その黒田総裁が進めてきた金融緩和を総称して黒田バズーカと言われています。

そのいくつかの金融緩和政策のなかで日銀は「ETF買い入れ」ということも行ってきました。

ETF買い入れとは、日銀が日経平均やTOPIXなどのインデックスを買入れるということです。

つまり、今の日経平均やTOPIXの株価を買い支えているのは日銀であるとも言えます。

今回は、ニュースでもよく言っている「日銀ETF買い入れ」について詳しく理解するために解説していきます。

この記事のポイント3つ

  • 日本銀行はETFを買っている
  • 日本銀行がETFを買うには条件がある
  • 2013年からの黒田バズーカにより買入額は2倍に増加

日銀のETF買い入れとその仕組みとは

日銀の前にそもそもETFとは、、

そもそも日銀のETF買い入れとは、いったい何のことなのでしょうか。

詳しく見ていきましょう。

 

そもそもETF(Exchange Traded Fund)とは以下のとおりです。

ETF(Exchange Traded Fund)とは

日経平均、TOPIX、ダウ平均やS&Pなどの外国の株価指数などの動きに連動するように運用されている投資信託の一種のこと。

金融商品取引所に上場しているので、株式と同じように売買できる金融商品である。

といいます。

日銀はこれを買っているということになります。

日銀による指数連動型上場投資信託受益権等買入とは

「日銀によるETF買い入れ」の正式名称は、指数連動型上場投資信託受益権等買入(以下、日銀によるETF等買い入れ)といいます。

日銀によるETF等買い入れは、日銀が買いオペや売りオペを行うように、日銀が存在するそもそもの目的である日本の「金融システムの安定化」にしたがって行われるオペレーション(公開市場操作)のひとつです。

<関連>【2020年 決定版】日本銀行の役割と世の中に流れるお金の関係性とは?わかりやすく図解

日銀によるETF等買い入れの条件

日銀が出す基本要領にもありますが、指数連動型上場投資信託受益権等買入を行うときは以下のように決められています。

指数連動型上場投資信託受益権等買入とは

金融調節の円滑化を図る目的から、以下の要件を満たす投資信託の買い入れが可能です。

  • 指数連動型上場投資信託受益権(ETF)

⇒日経225、TOPIX、JPX日経400に連動するように運用されるもの

 

  • 不動産投資法人投資口(REIT)

⇒ある投資口を発行する投資法人の債務が「適格担保取扱基本要領」に定める適格担保基準に満たすものであること。

⇒金融商品取引所で売買の成立した日数が年間200日以上であり、年間売買の累計額が200億円以上

これらのいずれかしか日銀は買い入れしないんですね。

今回は日銀のETF買い入れについてフォーカスしてお伝えします。

買い入れの方法

日銀がETFなどを買い入れる方法は以下のとおりとなります。

日銀がETF等の買い入れる方法とその価格

  1. 日銀が信託銀行にお金を預け、ETF等を買い入れてもらう。
  2. 信託銀行は、日銀当座預金を開いており、信用力が十分であると認められ先であり、日銀が選定した銀行であること
  3. ETF等買い入れは、市場の状況に応じて信託銀行に買い入れさせる
  4. 買い入れ価格は信託銀行が取引する価格

となっています。

日銀によるETF等の買い入れの仕組み
図1. 日銀によるETF等の買い入れの仕組み

つまり、日銀が直接市場に介入して買いに行くわけではなく、一旦信託銀行にまかせて買い入れていることになるんですね。

買い入れ額の限度

日銀による買い入れの限度額は以下のとおりです。

買い入れ額の限度

  • ETF買い入れ上限:日銀が決めた金額
  • REIT買い入れ上限:銘柄発行投資口の総額10%以内であり、日銀が決めた金額

ということです。

つまり、日銀が決めた金額ということですね。

日銀が買い入れたETF等の処分

日銀が買い入れたETFなどを処分(売却)する場合には、以下のことが定められています。

日銀によるETF等の処分(売却)

  1. 買い入れたETF等に関し、単元未満が生じた場合に単元以下を売却
  2. 該当するREITの銘柄別保有数が総額の10%を超えた場合
  3. 監理銘柄または整理銘柄となった場合
  4. TOB(公開買付)に応じる場合
  5. 発行元の自己投資口取得に応じる場合

なお、1. 以外の売却では以下のことを考慮される

  • 日銀の損失発生を極力回避すること
  • 市場に撹乱的な影響を与えることを回避すること

となっています。

売るときは損失してはいけないことが定めれらているんですね。

日銀によるETF等買い入れの推移

それでは次に、日銀によるETF等買い入れの推移を見ていきましょう。

今回は主にETFのみの推移となります。

2010年12月~2019年12月末までのETF買入推移

日銀によるETF等の買い入れ額の推移
グラフ1. 日銀によるETF買い入れの推移(2010年〜2019年末)
出典:日本銀行

データは2010年12月から2019年12月末までのデータとなります。

このグラフ1. からここ数年で日銀はETFの買い入れをたくさん行っていることがわかります。

 

その原因として、2013年に黒田総裁が就任してから黒田バズーカを3発発射しました。

  1. 2013年4月
  2. 2014年10月
  3. 2016年1月

<関連>【いつから】金融政策に影響を及ぼす日本銀行から発射した黒田バズーカとは

さらに、2016年7月29日の日銀による金融政策決定会合において、ETF買い入れを倍額の6兆円にすることを決定したため、ジャンプアップしています。

2010年~2019年までのETF買入額の年間推移

次に日銀のETF買い入れ額の年間の推移を見ていきましょう。

日銀によるETF等の年間買い入れ額の推移
グラフ2. 日銀によるETF買い入れ額の年間合計の推移

黒田総裁が2013年に就任してから2018年までずっと右肩上がりで日銀がETFを買い入れしていました。

異次元緩和」ということがよくわかります。

一方で、2019年は買い入れ額減額していることがこのグラフ2.からも伺えます。

 

なお、この期間の日銀によるETF等買入の合計金額は28兆円にまで登ります。

株価の推移

最後に日銀が買い入れているETFに連動する株価の推移を見ていきましょう。

日銀が買い入れているETFは3つありましたが、今回は以下2つのチャートで見ていきたいと思います。

  • 日経225
  • TOPIX

そして、今回利用するチャートは、楽天証券さんのMARKETSPEED for Macです。

いつも利用させていただきありがとうございます。

日経225の株価推移

2010_2019_日経225
図2. 2010年から2019年までの日経225のチャート(日足)
出典:楽天証券

図2. のチャートのように、日銀のETF買い入れと時期と同様に日経225も上昇していることがわかります。

TOPIXの株価推移

次に、TOPIXの推移です。

2010_2019_TOPIX
図3. 2010年から2019年までのTOPIXのチャート(日足)
出典:楽天証券

図3. のチャートのように、こちらも日銀のETF買い入れと時期と同様にTOPIXも上昇していることがわかります。

日経225やTOPIXは日銀が一番買い入れているからこそ株価が支えられていることがわかりましたね。

まとめ

今回は日銀による指数連動型上場投資信託受益権等買入についてご紹介しました。

この記事のポイント3つ

  • 日本銀行はETFを買っている
  • 日本銀行がETFを買うには条件がある
  • 2013年からの黒田バズーカにより買入額は2倍に増加

グラフでもご紹介したように、ここ10年は日銀によるETF買い入れによって株価が支えられていることがわかりました。

 

今後はどのようになるかわかりませんが、日銀が買い入れたETFをどうして処分していくのかとても気になるところですね。

このように金融への理解を深めていくことでニュースで言っていることがよくわかってくるようになってくるかと思います。

少しずつでいいので理解できて、自分の普段の生活に還元させていきたいですね。

あおりんご