2-1. 日本銀行とその役割

【わかりやすく図解】マネーストック統計とその時系列データとは

マネーストック

どうも、あおりんごです。

ニュースではよくマネタリーベースだったりマネーストック統計だったりと報道されています。

でもニュースでは報道されているけど「これって実際なんなの??」としっかりと理解されている方も少ないのではないでしょうか。

そこで今回はマネーストック統計の解説について日銀から持ってきたデータを交えてご紹介したいと思います。

この記事のポイント3つ

  • マネーストック統計は民間銀行から世の中に流すお金の量
  • マネーストック統計は4つの区分から構成される
  • マネーストック統計の増加は日銀当座預金の増加によるもの

マネーストック統計とは

マネーストック統計をわかりやすく

マネーストック統計とは

マネーストック統計とは

各金融期間が世の中に流しているお金の量

となります。

お金の流れ具合に関してはそれぞれの区分があり、その分け方は以下の通りになります。

マネーストックの各区分
図1. マネーストックの各区分

マネーストック統計は図1.のような4つの区分にわけられます。

【マネーストック統計の4つの区分】

  1. M1:現金と預金
  2. M2:M1 + 準通貨 + CD(※発行者が国内銀行などに限定)
  3. M3:M1 + 準通貨 + CD(※全預金取扱機関)
  4. 広義流動性:M3 + 流動性をもつ資産

※準通貨 = 定期預金 + 据置貯金 + 定期積立金 + 外貨預金

※CD = 譲渡性預金

※流動性をもつ資産 = 投資信託 + 銀行発行普通社債 + 国債 + 外国債券 + 金銭信託 + 金融機関発行コマーシャルペーパー

つまりこれらは日本の世の中に流れているお金の量です。

では、

  1. M1
  2. M2
  3. M3
  4. 広義流動性

の4つの増加量をわけてみて、どれが一番増えているのかをデータで確認していきましょう。

マネーストック統計の時系列データを分析

ここから、2000年〜2019年現在までのマネーストック統計のデータを見ていきましょう。

マネーストックのM1
図2. マネーストックのM1
日銀データベースより出典)
マネーストックのM2
図3. マネーストックのM2
日銀データベースより出典)
マネーストックのM3
図4. マネーストックのM3
日銀データベースより出典)
マネーストックの広義流動性
図5. マネーストックの広義流動性
日銀データベースより出典)

それぞれの増加量は、

【マネーストックの増加量】

  1. M1:約367兆円
  2. M2:約350兆円
  3. M3:約346兆円
  4. 広義流動性:約539兆円

のようになります。

一見するとマネーストック統計全体(M1、M2、M3、広義流動性)が増えているようにも思えます。

しかしながらここで気をつけないといけないのはM1がすべてに加わっている点です。

実際に、広義流動性の増加量は約538兆円増えていますが、そのうちM1の増加量を除くと金銭の信託が約172兆円の増加だけしています。

※金銭の信託:教育資金贈与信託や生命保険信託など

広義流動性の増加量を計算式にあてはめると次のとおりとなります。

広義流動性の増加量 =

約367兆円(M1の増加量) – 約172兆円(金銭の信託の増加量)= 約3,095億円

この式からM1が増えていれば全体も“増えているように”見えてしまいます。

つぎのデータはM1の割合です。

現金通貨と預金通貨の割合
図6. 現金通貨と預金通貨の割合
日銀データベースより出典)

このように、現金通貨は12.9%、預金通貨は87.1%の割合となっており、預金通貨のほうが現金通貨よりも多いことがわかります。

現金通貨と預金通貨の違いはこのとおりです。

現金通貨と預金通貨の違い

現金通貨 = 日本銀行発行通貨高 + 貨幣流通量 

預金通貨 = 金融機関の当座預金など

この現金通貨と預金通貨の違いからわかるように、この2つは日銀日銀当座預金にも含まれるマネタリーベースを示しています。

では、これらの現金通貨と預金通貨の増加量もデータにより見ていきましょう。

現金預金のヒストリカルデータ
図7. 現金預金の時系列データ
日銀データベースより出典)
預金通貨のヒストリカルデータ
図8. 預金通貨の時系列データ
日銀データベースより出典)

2000年から2019年現在までの増加量を比較してまとめると、以下の通りになります。

  • 現金通貨:36兆円増
  • 預金通貨:330兆円増

このように預金通貨、つまり各金融機関の当座預金(日銀当座預金)のみが増えていることがわかります。

マネーストック統計はマネタリーベースとは違う

マネーストック統計はマネタリーベースとよく混同されますが、本当は全く違った区分を示しています。

マネタリーベースとは民間銀行が日本銀行に預けていて、世の中に流れていない日銀当座預金の残高も含まれています。

マネタリーベースとマネーストック
【データあり】マネタリーベースとマネーストック統計の違いと関係性とはどうも、あおりんご(@aoringo2016)です。   あなたはマネタリーベースとマネーストックがどういう内容のことか理解していますか...

まとめ

今回はマネーストック統計についてご紹介しました。

この記事のポイント3つ

  • マネーストック統計は民間銀行から世の中に流すお金の量
  • マネーストック統計は4つの区分から構成される
  • マネーストック統計の増加は日銀当座預金の増加によるもの

体は血液の通しをよくしないと体調が悪くなります。

経済の血液も通しをよくしていきたいものです。

 

あおりんご