どうも、あおりんごです。
ニュースではよくマネタリーベースだったりマネーストックだったりと報道されています。
でもニュースでは報道されているけど、よくよく考えるとこれって実際なんなの??と、それぞれをしっかりと理解されている方も少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、主にマネタリーベースについて日銀から持ってきたデータを交えてご紹介したいと思います。
マネタリーベースとは
マネタリーベースをわかりやすく
マネタリーベースはつぎのように計算します。
マネタリーベース = 日本銀行券発行高 + 貨幣流通量 + 日銀当座預金
- 日本銀行券発行高:お札の量
- 貨幣流通量:硬貨の量
- 日銀当座預金:民間銀行が日銀に預けているお金の量
これで計算できます。
つまりマネタリーベースとは、ぼくたちが実生活で使っているお札や硬貨、そして民間銀行が日銀に預けているすべてのお金の量となります。
2016年に日銀総裁の黒田さんが発動したマイナス金利は、世の中が騒がしくなりました。
あのマイナス金利はぼくたちの銀行預金に直接影響するのではなく日銀当座預金のほんの一部に与えた金利だったんですね。
よくニュースなどで報道されている「マイナス金利の深堀り」という単語があります。
そのマイナス金利については、以下の記事で詳しく解説してますので合わせて御覧ください。


ではここからは、日銀から流れ出るお金の量であるマネタリーベースがどれだけ増えているのかをデータで見ていきましょう。
マネタリーベースの推移データ
2000年から2019年現在までのマネタリーベースの合計をデータで見ていきましょう。

(出典:日銀データベース)
ご覧いただけるとわかりますように、マネタリーベースが2012年を堺に約380兆円ほど増えています。
このデータを見るだけでも、世の中のお金の量がものすごい “増えているように” 見えます。
そうです、増えているように見えてしまいます。
つぎにマネタリーベースを構成している
- お札
- 硬貨
- 日銀当座預金
の3つの増加量をわけてみて、それぞれどれが一番増えているのかをデータで確認していきましょう。

(日銀データベースより出典)

(日銀データベースより出典)

(日銀データベースより出典)
図2.~図4.のこれらのデータは、2000年から2019年現在までのデータです。
この期間の増加量を比較してまとめると、以下の通りになります。
- 日本銀行券発行高:52兆円増
- 貨幣流通高:0.7兆円増
- 日銀当座預金:386兆円増
マネタリーベースの計算式を思い出していただけるとわかるかと思いますがマネタリーベースはお札、硬貨、日銀当座預金の合計でした。
つまりこれらのことから、マネタリーベースが構成されている項目にそれぞれわけてみてみると日銀当座預金だけが増加していることがはっきりとわかります。
黒田バズーカの3つの狙いとそれが実生活まで影響を及ぼさない理由
2012年に政権が安倍政権となり、金融政策である異次元緩和によってマネタリーベースを増加させることを決定しました。
当時は黒田バズーカとも呼ばれていました。
マネタリーベースを増加させた狙いは以下の3つです。
ここからわかることは、マネタリーベースを増加させても、ぼくたちの実生活まで影響を与えるほどマネーストックは増加していないということです。
黒田バズーカに関しては、以下の記事で解説していますので、ご覧ください。

まとめ
今回は マネタリーベース についてご紹介しました。
ポイントとして以下のとおりです。
- マネタリーベースは日銀から世の中に流すお金の量
- マネタリーベースを増やしても世の中のお金は流れたことにはならない
ぼくは世の中にお金がじゃぶじゃぶの状態であると考えていましたが、今回の調べでそうではないことがわかりました。
体は血液の通しをよくしないと体調が悪くなります。
経済の血液も通しをよくしていきたいものです。
あおりんご