1-1. 日本の経済

原油が原材料!ナフサ価格が物価や化学製品に影響するたった1つの理由

原油から最終製品まで

どうも、あおりんご です。

 

あなたは「ナフサ」は知っていますか?

ニュースでもナフサとうい言葉を聞きますが、実はナフサとは原油から生成されるプラスチックの原料で、ガソリンや天然ガスなどの仲間なんです。

 

化学業界はナフサの価格により、業績が大きく変動します。

そのナフサ価格の変動には「原油」がとても関係しています。

 

ナフサはぼくたちの生活でとても一番身近なものなのですが、はっきりとナフサを理解されている方も少ないのではないでしょうか。

 

そこで、今回はそのナフサについてご紹介します。

ナフサの価格が化学業界へ影響するたった1つの理由

ナフサの価格が化学業界へ影響を与える1つ理由はナフサは原油から作られているからです。

 

冒頭でもお伝えしたように、化学製品は原油が原料となりナフサを経由して最終製品となります。

そのため原油の価格変動が化学製品へ影響を及ぼすというわけですね。

原料が原油であるナフサとは

ナフサとは、以下のとおりです。

ナフサ

原油から分けられて出てくるさまざまな化学製品(プラスチック)などの原料

化学製品原料のほとんどが原油からナフサだけを分けて、それを利用して製品が製造されます。

 

原油に含まれているナフサは、30℃~180℃の温度で気体になります。

原油を蒸留という方法を使って、それぞれの製品にわけてナフサを得ます。

※蒸留:温度によって化学物質を分ける方法 例) 蒸留酒などの“蒸留”

 

ナフサの原料となっている石油は、日本では領土に石油の生産できる油田がほぼないため海外から輸入に頼らざるをえません。

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原油価格が変動する理由はいろいろあります。

例えばコロナショックにより飛行機が飛ばなくなって燃料需要がなくなるといった原油事態の需要と供給による要因、またアラブの国やアメリカなどの原油大国が揉めると原油価格が上下する要因などです。

中東情勢は歴史的に見ても争い事が絶えず、なかなか落ち着かない状況が続いています。

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原油からナフサを経由して製品まで

それでは図解により原油からナフサを経由して最終製品が製造されるまでの道のりを見てみましょう。

原油から最終製品まで
図1. 原油から最終製品まで

図1. からわかるように、はじめの原料である 原油 から ナフサ を通じて、その間にいくつかの 化学合成 させたり 分解 させて 中間生成物 を経由して 最終製品 にたどり着きます。

なので最終製品にまでのプロセスは意外に長いです。

また、このようなプラスチック製品以外にも石油からさまざまな製品が作られていることもこの図からわかります。

原油価格が世の中の物価に直撃

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まとめ

今回はナフサについてご紹介しました。

プラスチックは原油が原料となっていることはわかっていたかたも多いかと思いますが、厳密に言えばナフサを経由していることがわかりました。

そいて原油からナフサが分けられて、それを通じてぼくたちの身近な製品にまで広がっていました。

 

ナフサの原料が原油となっている一方で、生産国が中東に偏っていますので、原油価格が世界情勢や中東問題から影響を受けやすいということになっています。

原油価格が変動しやすいため、企業側は原価が上がったり下がったりしやすいということです。

化学業界への投資はこういったことも含めて考えて投資しないといけませんね。

あおりんご