1-1. 日本の経済

【データから見る原油輸入国】日本が世界から輸入する原油の生産国と割合

どうも、あおりんごです。

日本は 石油を海外から輸入 しています。

一般的には中東から輸入している量が多い、とされていますが実際には日本の石油輸入量全体のうちどれくらいを中東から輸入しているのでしょうか。

今回はデータをもとに改めて日本の石油輸入量を見ていたいと思います。

日本は原油を世界から何%くらい輸入しているのか

日本の原油輸入量はおそらく100%だろうな、と思いながら念の為調べてみました。

(本データは経済産業省が発表する2019年12月時点の「石油統計速報」を参照しました。)

日本の原油割合(国産 or 輸入)
図1. 2019年12月の日本の原油割合(輸入 or 国産)(参照:経済産業省「石油統計速報」)

やっぱりな、という感じで実際のところ

  • 輸入:99.3%
  • 国産:  0.7%

でした。

おどろきだったのはごく少数の原油が国産であることでした。

国産は 南関東ガス田 というところが千葉中心にあるようで、唯一日本で原油が採掘できる場所なようです。

しかし残念なことに、日本が消費する原油量を国産だけでは全く補えないほど日本人は原油を使っていることになります。

なので、日本で原油が採れないのであれば原油が採掘できる国から買うしかありません。

ではどこの地域から買っているのでしょうか。

割合で見ていきましょう。

日本が輸入する原油採掘国の地域

日本が自国で消費する原油が自国で採掘できない以上、海外から原油を輸入しなくてはいけません。

それでは日本がよく輸入している世界の地域はどこになるのでしょうか。

石油輸入国内訳
図2. 日本が原油を輸入する世界の地域(参照:経済産業省「石油統計速報」)

図2. をご覧いただくとわかるかと思いますが、日本が世界から原油を輸入している地域は

  • 中東:89%
  • 欧州:5%(主にロシア)
  • 北米:2%(主にアメリカ)
  • 南米:2%(主にエクアドル)
  • 南方:1%(主にベトナム、マレーシア、ブルネイ)
  • 東・中央アジア:1%(主にカザフスタン)
  • オセアニア:0.2%(主にオーストラリア、パプアニューギニア)

世界各国から輸入していますが、一番が断然多い中東となっています。

では中東のどの国から日本は原油を一番輸入しているのでしょうか。

日本が石油を輸入する中東の国々

日本が原油を輸入する中東の国々は以下の図となっています。

 

中東からの石油輸入国内訳
図3. 日本が原油を輸入する中東の国々(参照:経済産業省「石油統計速報」)

図3. の通り、日本が中東から原油を輸入する量のうち、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)からの輸入が1位と2位を占めています。

  • サウジアラビア:39%
  • アラブ首長国連邦(UAE):34%
  • カタール:12%
  • クウェート:8%
  • イラク:3%
  • バーレーン:2%
  • オマーン:2%

このことから、日本が輸入する原油のうち サウジアラビアアラブ首長国連邦(UAE) から一番が多いことがわかりました。

日本は原油からガソリンやナフサからそのまま最終製品に利用したり、また原油を燃やすことでタービンを回している火力発電により電力を得ています。

つまり 日本は特にこの国々と外交的に仲良くしていかなければ、今日本が国内で消費している原油量を確保できない ということになります。

原油価格は世界情勢や中東問題の影響を受けやすい

一方で原油は価格がよく変動します。

もちろん世界の原油需要や供給による原因など、原油価格が変動する理由はいろいろありますが、一番の理由は 世界情勢中東問題 が影響を及ぼすのではないでしょうか。

 

世界のエネルギー源はまだ原油に頼っている状況です。

そして原油生産国はどうしても中東に偏っています。

そのため中東の情勢に左右されやすくなり無視できません。。

 

一方で中東の情勢は争い事が絶えず、なかなか落ち着かない状況が続いています。

なぜ中東での争いが多いのか、については以下の記事で解説していますので、合わせてご覧ください。

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まとめ

今回は日本が輸入する原油の生産国の地域について見ていきました。

 

原油をよく消費するが自国で補えない日本はどうしても世界情勢や中東問題の影響を受けやすい状況となっています。

それは輸入量がサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)が多いことにより、大きく左右されることが改めてわかりました。

 

あおりんご