3-2. 投資(資産運用)

【推移データ】外国人投資家の日本株式における資産額の割合と保有比率

投資部門別株式保有金額の推移

どうも、あおりんご(@aoringo2016)です。

2018年から現在にかけて日本の株式市場は乱高下をくりかえしています。

そんななかで、その乱高下の原因として「日本の株式市場は外国人投資家が多く持っているから〜」という理由を耳にします。

つまり、外国人投資家が日本株式を多く持っていることにより外国人投資家の影響が日本の株式市場においてより強くはたらきやすいという意味になります。

正直なところ、ぼくもこの結論に対して疑ったりはしていませんでしたが、

  • いつから外国人投資家の影響力が強くなったの?
  • 本当に外国人投資家の影響力が強いなら、日本株式市場でどれくらい保有金額と割合を持っているの?

と、疑問が浮かんできました。

そこで今回は日本取引所グループから得られたデータをもとにこれらの疑問を確認してきます。

日本株式における外国人投資家の影響

結論①:外国人投資家の影響力が強くなったのはアベノミクス以降

  • いつから外国人投資家の影響力が強くなったの?

この答えは、日本株式市場に外国人投資家が多く登場するようになったのは1997年のアジア通貨危機以降で、保有金額が逆転しはじめたのは2002年以降、さらに全体の保有金額のトップになったのは2012年のアベノミクス以降となります。

結論②:日本株式における外国人投資家の保有金額は181兆円(29.1%)

  • 本当に外国人投資家の影響力が強いなら、日本株式市場でどれくらい保有金額を持っているの?

この疑問ですが、この答えは外国人投資家の保有額は181兆円で、これは全体の保有金額の29.1%にあたります。

一方で日本の金融機関の保有額は183兆円と、外国人投資家と同程度となっています。

これらのことから、外国人投資家の保有金額が日本の株式市場に多大なる影響を与えているわけではないことがわかります。

では順にデータで見ていきましょう。

投資部門別株式保有金額の推移

それでは図1. のデータをご覧ください。

投資部門別株式保有金額の推移
図1. 投資部門別株式保有金額の推移
(出典:日本取引所グループ)

このデータは、日本取引所グループからもってきた1970年〜2018年までの投資部門別株式保有金額の推移です。

投資部門の分け方は

  • 個人、その他
  • 外国法人等
  • 事業法人等
  • 証券会社等
  • 金融機関小計

となっています。

1997年以降に外国人投資家が日本株式を大きく買いはじめた

図1.より1997年までは日本株式は外国人投資家ではなく日本人が占めていることがわかります。

しかしながら1997年7月にアジア通貨危機が起こりました。

このショックで株価が安くなったところを外国人投資家が買っていきました。

このときから日本の株式市場における外国人投資家の保有金額は徐々に上がっていきました。

1999年〜2002年にかけてアメリカのドットコムバブルが弾けたあとに、2002年からまた外国人が買い上げることにより保有金額を大きくしました。

さらに2004年くらいまでは、個人、法人、外国人投資家は同程度でしたが、2005年以降から外国人投資家が全体的に逆転しはじめます。

リーマンショック後のアベノミクス相場で逆転

リーマンショックにより全体的に大きく下がっていたところを2012年のアベノミクス を堺にさらに外国人投資家が大きく買いにでて日本の株式市場を占めるようになりました。

外国人投資家の方がアベノミクスがどんな政策なのかをはっきりと理解して買っていることがわかります。

また外国人投資家のほうが大きく買うタイミングがわかっているようにも思います。

これらのデータから、もともと日本人が占めていた日本の株式市場でしたが、1997年からだんだんと外国人投資家の保有金額が大きくなり、2012年には日本人の保有金額を外国人投資家が逆転してしまったことがわかりまあした。

日本の株式市場における保有金額の総合計推移

日本の株式市場における保有金額の比率

これまでのデータで、外国人投資家が1997年以降に徐々に買いはじめ、アベノミクスで完全に保有金額が逆転したことがわかりました。

それでは次の疑問である「本当に外国人投資家の影響力が強いなら、日本株式市場でどれくらい保有金額を持っているの?」をデータをもとに見ていこうと思います。

次のデータが2018年時点での日本株式市場のそれぞれの保有金額比率です。

  • 個人、その他 ⇒ 17.2%(107兆円)
  • 外国法人等  ⇒ 29.1%(181兆円)
  • 事業法人等  ⇒ 21.7%(134兆円)
  • 証券会社等  ⇒   2.3%   (14兆円)
  • 金融機関小計 ⇒ 29.6%(183兆円)
  • 行政機関   ⇒   0.2%  (0.9兆円)

※カッコ内、保有金額

となっております。

この数字から、外国人(29.1%)と金融機関(29.6%)が同程度の保有金額であることがわかりました。

したがいましてこの2つの比率から外国人投資家が日本の株式市場に強い影響力を与えているようには考えにくいことがわかりました。

日本の株式市場における総合計保有金額は平成バブルやリーマンショックを超えている

このデータを調べていていくうちに、現在の日本の株式市場全体の合計保有金額は平成初期の不動産バブル期やリーマンショックを超えた金額にあることがわかりました。

日本の株式市場における保有金額の総合計の推移
図2. 日本の株式市場における保有金額の総合計の推移
(出典:日本取引所グループ)

図2.は日本の株式市場に参加している個人や外国人などといった各保有金額の合計です。

図2. の推移を見ると、不動産バブル期やリーマンショック以前の保有金額よりもアベノミクス相場後の金額の方が高いことがわかりました。

今の人々はバブルを起こさせるような「熱狂」を感じさせないほど冷え込んでいるようにも思いますが、金額的にはかなり高い位置にあることがわかりました。

また、データ収集開始の1970年から2018年時点までの約50年間で、日本の株式市場は31倍になっていることがわかります。

まとめ

今回は、1970年〜2018年までの日本株式市場における投資部門別株式保有金額についてご紹介しました。

ポイントとしては以下の3つ挙げられます。

  1. 外国人投資家の日本株式保有金額は1997年以降に徐々に増えはじめ、2012年に完全に逆転した。
  2. 現在の日本株式市場は不動産バブル期やリーマンショック以前よりも高水準で買われている。
  3. 保有金額比率は外国人投資家と日本の金融機関が同程度であることから、この数値からは外国人投資家が日本の株式市場に強い影響力を与えているとは考えにくい。

外国人の保有金額比率が圧倒的に高くないことから、このデータでは日本の株式市場への影響力は強いものかわかりにくい結果となりました。

 

次は、日本の株式市場におけるそれぞれの「年間の売買金額」を見ていこうと思います。

<関連>【最新版】データで見る日本株式の部門別売買金額状況の年間推移

あおりんご