どうも、あおりんご(@aoringo2016)です。
ニュースでは、「日銀の準備預金制度…」などと聞きますが、とくにマイナス金利が発表された2016年には耳にしたのではないでしょうか。
準備預金制度とは、金融危機や経済がクラッシュしたときなどに備えるための金融機関の預金のことです。
そこで今回は、金融機関が日本銀行に日銀当座預金に一定額以上を預けないといけないルールである準備預金制度についてわかりやすく解説していきたいます。
- 対象の金融機関は日銀に必ず預ければいけない準備預金制度がある
- 日銀買いオペによって、準備預金額は増えている
- 準備預金額の超過分に対してマイナス金利を付与した
日本の銀行業界における準備預金制度とは
準備預金制度とは
準備預金制度とは、金融機関(都市銀行や地方銀行)などが、預金などの一定比率以上の金額を日本銀行の当座預金に預け入れる義務制度のこと。
また、預け入れなければいけない一定比率のことを準備率という。
さらに、法定準備預金額(所要準備額)というもので、日本銀行の当座預金に預けなければいけない最低金額も定められている。
※現在の準備率は日本銀行ホームページを参照。
つまり準備預金制度とは、一般の銀行が持っている預金のうち、ある比率以上(準備率) の金額を日銀に預けないといけない制度のことで、さらにその最低金額が法定準備預金額ということです。
これらは日銀当座預金で管理されています。
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では、いったいなぜ各金融機関は日銀当座預金に一定額を預けないといけないのでしょうか。
準備預金制度の役割をわかりやすく
その後の準備預金制度の役割としては以下のとおりです。
- 金融不安などで金融機関の資金繰りが悪化した場合に備えること
- 1. のために法定準備預金額を維持すること
となっています。
1990年代前半は、準備預金制度の準備率を上下に変動させることによって金融の緩和や引き締めを目的として運用されていました。
国が〇〇ショックなどで金融危機になってしまったときに銀行などの金融機関の貸し借りに困らないように備えるためだったということです。
しかしながら、1990年代以降は無担保コールレート(オーバーナイト物)が金融市場の調節役となり、短期金融市場が発達した現在では、金融を和らげたり引き締めする方法として準備預金制度での調節は利用されなくなっています。
データで見る日銀の準備預金残高
では、現在の準備預金制度のもと、対応している次の預金額をグラフで見ていきましょう。
- 準備預金残高
- 法定準備額
- 超過準備額(A–B)
なお、グラフは2010年1月〜2019年4月までのデータです。
A. 準備預金残高
2012年ごろから現在まで約300兆円ほど増えています。
2012年を堺に準備預金残高が増加しはじめたのは、新しく日銀総裁に就任した黒田氏が推し進めた金融緩和政策(いわゆる黒田バズーカ)によるものです。
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日銀が民間銀行の国債を買い入れることによる買いオペを行えば、その代金は各民間銀行の日銀当座預金に振り込まれるからです。
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B. 法定準備額
次に法定準備額です。
グラフは以下のとおりです。
法定準備額は対象となる金融機関が日銀に最低限預けないといけない預金額のことでした。
こちらも年々増加しており、2010年からですと約30兆円ほど増加しています。
C. 超過準備額(A–B)
日銀の買いオペにより日銀当座預金の残高は増えていることは説明しました。
超過準備額は、日銀の当座預金残高の超過分です。
準備預金制度における日銀当座預金とマイナス金利の関係性
本来、金融政策の役目として終えていた準備預金制度でしたが、日銀が金融緩和して買いオペしつづけると日銀の当座預金残高の超過分が増えていきました。
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どんどん増えつづけていく日銀当座預金に対処するために、補完当座預金制度によって当座預金を3層構造に分割し、さらにこの超過分に対して金利をつけることを決めました。
その超過分への金利が、ぼくたちもよく知るいわゆるマイナス金利というものです。
まとめ
今回は、日銀の準備預金制度についてご紹介しました。
- 対象の金融機関は日銀に必ず預ければいけない準備預金制度がある
- 日銀買いオペによって、準備預金額は増えている
- 準備預金額の超過分に対してマイナス金利を付与した
あおりんご