2-1. 日本銀行とその役割

コロナショックで各国が結んだ通貨スワップ協定とは?わかりやすく図解

通貨スワップ協定1

どうも、あおりんごです。

 

コロナショックを受けて今朝方こんなニュースが飛び込んできました。

日米欧など6中銀、ドルの流動性拡充で合意 スワップ金利引き下げ

出典:ロイター通信

つまり、コロナショックを受けて世界各国の中央銀行がお金の流れを流れやすくするために通貨スワップ協定のもとスワップ金利を引き下げたということです。

まさに「危機」といった感じが伝わってきますね。

そこで今回はこの通貨スワップ協定がどんな協定なのかご説明していきたいと思います。

この記事のポイント3つ

  1. 通貨スワップ協定はFRBと各国中央銀行との協定
  2. これにより資金供給の流動性を確保
  3. さらに各中央銀行が各金融機関へ資金を流す

日本の中央銀行は日本銀行です。

日本銀行の役割を理解することでこの記事への理解もより深くなりますので、日本銀行の役割を解説している以下の記事も合わせてご覧下さい。

日本銀行の役割
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経済危機に発動する通貨スワップ協定

通貨スワップ協定とは

通貨スワップ協定(Swap Line)とは、

通貨スワップ協定(Swap Line)

経済危機や金融危機などに陥ったときに中央銀行同士の取り決めで、金利レートをコントロールすることで2つの国との通貨を交換しやすくし、世の中に流れる通貨の供給を維持するもの

ということです。

通貨スワップ協定1
図1. 通貨スワップ協定

普段であれば、各国の通貨の調達をするための金利レートは各国で決まっているのですが、今回のコロナショックなどの経済危機や金融危機のときに、調達レートを守っていたら必要な通貨が手に入らない場合が出てきます。

そんなときに金利レートを引き下げて各国の通貨を買いやすることで、世の中の資金が流れやすくするというものです。

資金を供給する側は、もちろんFRBから基軸通貨となっている米ドルが供給され、資金を受け取る側はその他の中央銀行その国の通貨となる。

通貨スワップ協定の方法とその期間

通貨スワップ協定の方法とその期間は以下のとおりです。

通貨スワップ協定の方法と期間

  • FRBと対する中央銀行は同価値の通貨を当日のレートで交換
  • 両銀行はワンピリオド(1week or 3 month)で同通貨を最初の交換レートで買い戻し
  • 交換対象:日本では無担保コールオーバーナイト、米国ではFF金利

となっています。

クラッシュした際に、通貨スワップ協定を利用して米ドルを調達した各国の中央銀行は各国の金融機関へ米ドルを貸し出しします。

通貨スワップ協定2
図2. 通貨スワップ協定

過去の通貨スワップ協定

過去の大きな通貨スワップ協定に「リーマンショック」があります。

個人的な調査ですがそれまでは目立った通貨スワップ協定がありませんでした。

それまでに目立った通貨スワップ協定がなかった理由を考えると、おそらく2000年に入ってからグローバル化がさらに加速し、各国のビジネスや貿易が連動するようになってから、自国だけの経済だけ維持すればいいという問題でもなくなってきたからではないでしょうか。

さて、リーマンショック時の通貨スワップ協定ですが、FRBは通貨スワップ協定を徐々に広げていきました。

FRBがリーマンショック時に広げた通貨スワップ協定

  1. 2007年12月12日:FRB ⇔ ECB、SNB
  2. 2008年9月18日:FRB ⇔ BOJ、BOE、BOC
  3. 2008年9月24日〜10月29日:FRB ⇔ その他の世界各国の中央銀行

※SNB:Swiss National Bank、BOE:Bank of England、BOC:Bank of Canada

第一次で、FRBが各中央銀行へ供給した米ドルは$20 billion(約2兆円)で、2008年9月〜2009年1月までにFRBが世界各国の中央銀行へ供給した米ドルは$586 billion(約58.6兆円)にまでのぼりました。

ここから世界は金融危機を脱出していきます。

まとめ

今回は通貨スワップ協定についてご紹介しました。

ポイントは以下の点です。

  • 通貨スワップ協定はFRBと各国中央銀行との協定
  • これにより資金供給の流動性を確保
  • さらに各中央銀行が各金融機関へ資金を流す

コロナショックを受けて、アメリカはリーマンショック時と同程度の危機に直面していると判断したのでしょう。

今後どうなるのかわかりませんが、ひとつひとつ勉強していきたいものですね。

あおりんご