どうも、あおりんごです。
内閣府よりGDPの速報値が11月に発表されました。
今回は発表されたGDPの速報値をご紹介したいと思います。
なお、前回発表時のGDPは以下の記事をご参考ください。
<関連>【GDP速報】2020年4月〜6月のGDP速報値とその推移
名目GDPとデータ
名目GDP速報値(2020年 7月〜9月)
まず、2020年 7月〜9月の名目GDPを見ていきましょう。
名目GDP:130兆円(前年比 -4.80%)
となっていました。
コロナショックの影響がまだまだ尾を引いていて、前年の2019年第2四半期よりも日本国内の消費が約7兆円減ったことになります。
次に1994年からの四半期ごとの名目GDPのグラフを見ていきましょう。
名目GDPの推移(1994年 1月〜2020年9月)
グラフ1.より、2020年第3四半期の名目GDPは下落してから、需要が戻りつつあります。
一方で、名目GDPの下落幅を見ていると、まだまだ日本経済はダメージを受けていることがグラフから読み取れます。
名目GDP成長率の推移(1994年 1月〜2020年9月)
つづいて、グラフ2. は前年比での名目GDP成長率推移のグラフとなります。
上記したように、前年比では-4.80%の下落となり、日本経済がコロナによって受けたダメージから回復しきっていないが、徐々に回復しつつあります。
実質GDPとデータ
実質GDP速報値(2020年 7月〜9月)
2020年 7月〜9月の物価変動を除いた値である実質GDPを見てきます。
実質GDP:126兆円(前年比 -5.83%)
となっていました。
次に1994年からの四半期ごとの実質GDPのグラフを確認します。
実質GDPの推移(1994年 1月〜2020年9月)
グラフ3.よりコロナショックから、2020年第2四半期から第3四半期にかけて徐々に回復していることがわかります。
実質GDP成長率の推移(1994年 1月〜2020年9月)
つづいて、グラフ4. は前期比での実質GDP成長率推移のグラフです。
上記したように、前年比では-5.83%の下落となっています。
GDPデフレーター(1994年 1月〜2020年9月)
最後にGDPデフレーターを見ていきましょう。
グラフ5.より、コロナショックではあるものの物価が底打ちして、平成はじまって以来、GDPデフレーターがインフレに上昇しはじめていることがわかります。
経済が景気後退局面である一方で、物価(つまり、モノの値段)が上がっていることから、日本経済ではスタグフレーションになる可能性があります。
GDPデフレーターは日本経済全体の物価を測る指標であるため、ぼくたちの生活に密接に関係している物価を見る場合は消費者物価指数(CPI)も合わせて確認する必要があります。
<関連>【日本の経済指標】消費者物価指数とは?わかりやすく解説
<関連>【日本経済】物価を表すCPI(消費者物価指数)とGDPデフレーターの違いをわかりやすく解説
コロナショックの政府による経済対策と日銀による金融政策
今回のコロナショックを受けて政府は落ち込んだ経済を立て直すために政府は経済対策に努めています。
<関連>【コロナ対策の給付金は国債】成立した2020年度補正予算と財源をわかりやすく解説
<関連>【コロナ対策】成立した2020年度第二次補正予算と財源をわかりやすく解説
また、日本銀行は連日の金融政策決定会合にて、今までにないほどの国債買入(買いオペ)やETF買入を増やすことを決定しており、日本の金融が滞らないようにしています。
<関連>「銀行の銀行」である日本銀行の役割とは?10の項目をわかりやすく解説
<関連>【わかりやすく図解】日本銀行が行う買いオペと売りオペとは?
<関連>日本銀行によるETF買い入れととは?推移データでわかりやすく図解
世界各国の中央銀行がお金の流れを止めないように、リーマンショックのときと同様に通貨スワップ協定を結んでいます。
<関連>【わかりやすく図解】コロナショックで各国が結んだ通貨スワップ協定とは
現在日本では新たな陽性者が増えてきています。
それに伴って、日本政府も新たに第三次補正予算案も検討しています。
今回見てきたGDPを考えると、中途半端な政策では失った経済の損失を取り戻すことはとても困難になるでしょう。
そもそもGDPとは
GDPをわかりやすく解説
GDPの速報値をご紹介してきましたが、GDPがなんのことかわからないあなたに、GDPについて解説します。
GDP(Growth Domestic Products)とは、国内総生産といい、一定期間の間に日本国内で生み出された最終消費額の合計のことをいいます。
GDPには2種類あり
- 名目GDP
- 実質GDP
に分けられます。
<関連>GDPとは?名目GDPと実質GDPの1つの違いを時系列データでわかりやすく
また、名目GDPを実質GDPで割った値がGDPデフレーターとなり 物価が上昇しているか、もしくは下落しているか どうかを示す値になっています。
<関連>【わかりやすく図解】経済をみるGDPデフレーターと計算方法とは
名目および実質GDPを構成する主な項目内訳
名目および実質GDPを構成している主な項目は以下の3つです。
- 民間最終消費支出(つまり、個人消費)
- 民間企業設備(つまり、企業の設備投資)
- 政府最終消費支出(つまり、政府の公共投資)
この3項目だけで日本国内のGDPの90%を占めています。
まとめ
今回は、内閣府より発表されたGDP速報値をご紹介しました。
コロナショックにより緊急事態宣言が発令され、不要不急の外出を控えるように促しましたが、日本経済の2020年7月〜9月の名目GDPおよび実質GDPは、ダメージは残っているものの回復しつつあることがわかりました。
一方でGDPデフレーターではインフレになりつつあることから、景気後退局面での物価上昇であるスタグフレーションの可能性まで現実味を帯びてきました。
まだまだ悪い日本経済の状況となる中で、自殺者が増えているといった暗いニュースも聞きます。
経済のダメージが、コロナの陽性者以上に世の中にショックを与えているように感じます。
失った経済の傷を早く回復させるには、大胆な政府の財政出動が一番いいとぼくは考えています。
執筆現在も陽性者が増加傾向にありますが、一刻も早くこの災害が収まることを祈っています。
あおりんご