1-2. 【まとめ】GDP速報

【GDP速報】2020年4月〜6月のGDP速報値とその推移

2020 q2 GDP速報

どうも、あおりんごです。

 

先日(2020/8/17(月))に、内閣府よりGDPの速報値が発表されました。

 

今回は発表されたGDPの速報値をご紹介したいと思います。

なお、前回発表時のGDPは以下の記事をご参考ください。

<関連>【GDP速報】2020年1月〜3月のGDP速報値とその推移

その前に、GDPとは

GDPとは

GDPの速報値をご紹介する前に、あなたはGDPがどのような値なのかご存知でしょうか。

GDP(Growth Domestic Products)とは国内総生産といい、一定期間の間に日本国内で生み出された最終消費額の合計のことをいいます。

またGDPには2種類あり

  • 名目GDP
  • 実質GDP 

に分けられます。

<関連>GDPとは?名目GDPと実質GDPの1つの違いを時系列データでわかりやすく

また、名目GDPを実質GDPで割った値がGDPデフレーターとなり 物価が上昇しているか、もしくは下落しているか どうかを示す値となります。

<関連>【わかりやすく図解】経済をみるGDPデフレーターと計算方法とは

名目および実質GDPを構成する主な項目内訳

名目および実質GDPを構成している主な項目は以下の3つです。

  1. 民間最終消費支出
  2. 民間企業設備
  3. 政府最終消費支出

この3項目だけで日本国内のGDPの90%を占めています。

名目GDPとデータ

名目GDP速報値(2020年 4月〜6月)

それではまず、2020年 4月〜6月の名目GDPを見ていきましょう。

 

名目GDP:126兆円(前年比 -8.51%)

 

となっていました。

この数字はコロナショックの影響で前回発表の2020年第一四半期よりも日本国内の消費が約10兆円減ったこととなります。

次に1994年からの四半期ごとの名目GDPのグラフを見ていきましょう。

名目GDPの推移(1994年 1月〜2020年6月)

2020 q2 名目GDP
グラフ1. 1994年からの四半期ごとの名目GDP

グラフ1.より、2020年第二四半期の名目GDPベースは大幅に下落していることがわかります。

この下落幅はリーマンショック級となっていることから、コロナショックは国民が感じている以上に日本経済に大ダメージを与えています

名目GDP成長率の推移(1994年 1月〜2020年6月)

2020 q2 前期比名目GDP成長率
グラフ2. 前期比 名目GDP成長率

つづいて、グラフ2. は前年比での名目GDP成長率推移のグラフとなります。

上記したように、前年比では-8.51%の下落となったことから、グラフ2.からも現在の日本経済がリーマンショック級のダメージを受けていることがわかります。

実質GDPとデータ

実質GDP速報値(2020年 4月〜6月)

続いて、2020年 4月〜6月の物価変動を除いた値である実質GDPを見ていきましょう。

 

実質GDP:118兆円(前年比 -9.90%)

 

となっていました。

物価変動を除いた実質GDPは2020年の四半期だけで日本国内から14兆円も失われました。

次に1994年からの四半期ごとの実質GDPのグラフを見ていきましょう。

実質GDPの推移(1994年 1月〜2020年6月)

2020 q2 実質GDP
グラフ3. 1994年からの四半期ごとの実質GDP

グラフ3.よりコロナショックにより、2020年第一四半期から第二四半期にかけて大きく下落していることがわかります。

実質GDP成長率の推移(1994年 1月〜2020年6月)

前期比 実質GDP成長率
グラフ4. 前期比 実質GDP成長率

つづいて、グラフ4. は前期比での実質GDP成長率推移のグラフです。

上記したように、前年比では-9.90%の下落となり、実質GDPベースではリーマンショック以上の数字となっています。

GDPデフレーター(1994年 1月〜2020年6月)

最後にGDPデフレーターを見ていきましょう。

2020 q2 GDPデフレーター
グラフ5. 1994年からの四半期ごとのGDPデフレーター

グラフ5.より、コロナショックではあるものの物価が底打ちして、平成はじまって以来、GDPデフレーターがインフレに基調に上昇しはじめていることがわかります

経済が景気後退局面である一方で、物価(つまり、モノの値段)が上がっていることから、日本経済ではスタグフレーションの可能性があります。

GDPデフレーターは日本経済全体の物価を測る指標であるため、ぼくたちの生活に密接に関係している物価を見る場合は消費者物価指数(CPI)も合わせて確認する必要があります。

【2020年6月度 発表】日本の消費者物価指数(CPI)とその推移とはでお伝えしましたように前月のCPIは大きく上昇していないことから、ぼくたちの生活への物価の影響は今のところ軽微ではあります。

またCPIとGDPデフレーターの違いに関しては以下の記事からご覧ください。

<関連>【日本経済】物価を表すCPI(消費者物価指数)とGDPデフレーターの違いをわかりやすく解説

コロナショックの政府による経済対策と日銀による金融政策

今回のコロナショックを受けて政府は落ち込んだ経済を立て直すために政府は経済対策を、日本銀行は金融政策を実施しています。

日本政府は日本国民に10万円の支給などに努めています。

<関連>【コロナ対策の給付金は国債】成立した2020年度補正予算と財源をわかりやすく解説

 

また日本銀行は連日の金融政策決定会合にて、今までにないほどの国債買入(買いオペ)やETF買入を増やすことを決定しており、日本の金融が滞らないようにしています。

<関連>「銀行の銀行」である日本銀行の役割とは?10の項目をわかりやすく解説

<関連>【わかりやすく図解】日本銀行が行う買いオペと売りオペとは?

<関連>日本銀行によるETF買い入れととは?推移データでわかりやすく図解

 

また世界各国の中央銀行がお金の流れを止めないように、リーマンショックのときと同様に通貨スワップ協定を結んでいます。

<関連>【わかりやすく図解】コロナショックで各国が結んだ通貨スワップ協定とは

まとめ

今回は、先日内閣府より発表されたGDP速報値をご紹介しました。

 

コロナショックにより緊急事態宣言が発令され、不要不急の外出を控えるように訴えた結果、日本経済の2020年4月〜6月の名目GDPおよび実質GDPは過去最大級のマイナス成長だったことがわかりました。

一方でGDPデフレーターではインフレになりつつあることから、景気後退局面での物価上昇であるスタグフレーションの可能性まで現実味を帯びてきました。

かなり悪い日本経済の状況となる中で、日本国民の消費が一刻も早く戻ることを願っています。

 

またこれから改定値が発表されてくるため、引き続き次回も公表していきたいと考えています。

あおりんご

参考文献

  1. 内閣府 GDP統計