どうも、あおりんご(@aoringo2016)です。
2019年12月13日に日銀から短観が発表されましたので、順にみていきましょう。
今回も前回発表時の2019年10月月発表につづき景気は減速してました。
(前回の短観はこちらで解説しています)
https://greenapple-investment.com/knowledge-for-investment/easy-and-explanation-series/1906-boj-tankan.html
日銀短観の説明はこちらで紹介しておりますのでご覧ください!
業況判断DI
まずは業況判断DIです。
業況判断DIの赤枠でかこっているところをみると、全産業で前回の2019年9月よりも景気は明らかに悪化していることがわかります。
製造業は2019年6月、9月につづき軒並みマイナスとなっています。
軒並みマイナスを見せている今回の短観の中で気になった点が
- 紙・パルプ(前回比+10)
- 電気・ガス(前回比+10)
- 運輸・郵便(前回比+2)
- 宿泊・飲食サービス(前回比+2)
です。
宿泊・飲食サービスは、外国人観光の影響もあるためか伸びていることは予測がつきます。
一方でその他の「紙・パルプ」「電気・ガス」「運輸・郵便」が増加しています。
電子化が進む一方で紙類が伸びていることは驚きました。
次にチャートで見てみましょう。
製造業は2015年よりも下回り始めていることがわかりました。
非製造業も前回に比べて下振れはじめていることがわかります。
需給・在庫・価格判断
つづいて、需給・在庫・価格判断を見ていきましょう。
こちらでは2019年10月から行われた消費増税の影響からか、全産業において前回にも増してモノやサービスが過剰に供給されており、在庫は増えていることがわかります。
こちらも前回と同様にモノやサービスが供給されすぎていて売れずに在庫を抱えている結果、日本経済が停滞していることがうかがえます。
モノやサービスを売るためには買ってもらえるまで価格を下げなければいけません。
よって、販売価格もさらに下落しています。
つまり、デフレは継続中ということですね。
設備投資など
設備投資・研究開発投資額
つづいて、設備投資・研究開発投資額を見ていきましょう。
設備投資額では、製造業の大企業は設備投資を増えています。
一方で、中堅・中小企業の設備投資は前年度比では少なくなっていることから、設備投資が減っている状況であることがわかります。
研究開発投資額に関しては、全企業においても増やしているようです。
ソフトウェア投資額
ソフトウェア投資額を見ましょう。
全体的にソフトウェア投資額が上がっています。
土地投資額
設備投資の最後に、土地投資額を見ていきましょう。
土地投資額に関しては、2018年に比べて中堅企業の製造業以外は土地投資に積極的ではないようです。
資金繰り・金融貸出態度
最後に、企業の資金繰りと金融貸出態度を見ていきましょう。
企業の資金繰り
企業の資金繰りは、前回と同様に平成がはじまった年から比べると一番いい状態でかなり「楽である」ようで、赤線のとおり資金繰りの状態は昭和最後のバブル期に近い水準まで回復していることがわかります。
一方で、今季から下振れはじめていることがわかりました。
金融機関の貸出態度判断
金融機関の貸出態度は、金融機関のお金の貸出が「ゆるい気持ち」か「きびしい気持ち」かの判断です。
現状の金融機関の貸出は「ゆるい」と判断されており、平成はじまって今の貸出がゆるい状態であることが伺えます。
またこちらもバブル期まで回復していることがわかります。
個人的に金融機関の貸出がゆるい原因は金融機関は民間の借り手が少なく、利益が上げられていないので、貸出金利を下げてでも貸し出さないといけない状況であると考えています。
ただ、企業側の資金繰りと同様に今季から下振れはじめていることがわかりました。
これは少々気になる点です。
まとめ
今回は2019年12月13日に日銀から発表された日銀短観をみてきました。
10月の消費増税の影響からか、前回の6月、9月につづいて、モノやサービスが過剰に生産されており、在庫がたまりつつあって、価格を下げてでも売らないいけない状況なので、日本経済は停滞しているようです。
企業が在庫を多く抱えることになれば、在庫の減損リスクも高まります。
そうなってくると企業全体のキャッシュフローも悪化していく可能性が高くなります。
日本の経済をコントロールしているのは日銀や日本政府も含まれます。
日銀の役割や日本政府との貸借対照表について解説は以下の記事となっておりますのでご覧ください。
また、好景気や不景気の合間でおこるバブルや暴落については以下の記事で解説していますので合わせてご覧ください。
こんな日本経済ではありますが、投資するにあたって良い企業をひとつひとつ吟味していきたいですね。