2-2. 【まとめ】日銀短観

【まとめ】2020年4月発表の日銀短観をわかりやすく解説

202004_日銀短観1

 どうも、あおりんご(@aoringo2016)です。

2020年4月1日に日銀から短観が発表されましたので、順にみていきましょう。

今回も前回発表時の2019年12月発表につづき景気は減速してました。

(前回の短観はこちらで解説しています)

【日銀短観 解説のバックナンバー】

【まとめ】2019年12月発表の日銀短観をわかりやすく解説

【まとめ】2019年10月発表の日銀短観をわかりやすく解説

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業況判断DI

まずは業況判断DIです。

2003_短観_1
図1. 業況判断D.I.
出典:日本銀行
2003_短観_2
図2. 業況判断D.I. (続)
出典:日本銀行

業況判断DIの赤枠でかこっているところをみると、全産業で前回の2019年12月よりも景気は確実に悪化していることがわかります。

今回の発表はコロナショックを受けた直後での発表となりましたので、実体経済に大きなダメージを与えていることがこの日銀短観からよくわかります。

製造業は2019年6月、9月、12月につづき大幅なマイナスとなっています。

12月時点で先行きは回復すると”予想”されていましたが、それを見事に裏切る結果となりました。

さらに、今回の先行き予想はさらに悪化しています。

これらのことから、日本経済の景気の先行きは暗闇の中を歩くことが伺えます。

軒並みマイナスを見せている今回の短観の中で個人的に気になった点が

  • 建設(前回比-1)
  • 不動産(前回比-3)
  • 通信(前回比±0)
  • 情報サービス(前回比+1)
  • 宿泊・飲食サービス(前回比-59)

です。

建設や不動産は直近のコロナショックの影響はまだまだ受けていないことが伺えます。

これはすでに長期的に建設する建物の計画がされているからではないでしょうか。

通信や情報サービスもコロナショックによってテレワークなどのITサービス系がさらに活性化されるのではないか、と伺えます。

一方で、一番ダメージを受けたのはやはり宿泊・飲食サービスだということがわかりました。

これは日本政府を含む日本全体がインバウンド需要を盛んに取り込もうとした結果、インバウンドの1番のリスクであった人の行き来の遮断がもろに影響を受けてしまいました。

これを期に宿泊・飲食サービスなどのビジネスはこれから「本当にインバウンド需要を取りこむのか、別路線で行くか」といった転換期を迎えるかもしれません。

次にチャートで見てみましょう。

2003_短観_3
図3. 業況判断DIの推移(製造業)
出典:日本銀行

製造業は停滞期に入りはじめていることがわかりました。

2003_短観_4
図4. 業況判断DIの推移(非製造業)
出典:日本銀行

非製造業も前回に比べて急激に下振れはじめていることがわかります。

需給・在庫・価格判断

つづいて、需給・在庫・価格判断を見ていきましょう。

2003_短観_5
図5. 需給・在庫・価格判断
出典:日本銀行

こちらでは2019年10月から行われた消費増税に加え、コロナショックで全産業において前回にも増してモノやサービスが過剰に供給されている一方で、在庫は増えていることがわかります。

 

つまりこちらも前回と同様にモノやサービスが供給されすぎていて売れずに在庫を抱えている結果、日本経済が停滞していることがうかがえます。

 

在庫が増えれば貸借対照表では資産項目である流動資産が増えていきますが、溜まっていく在庫が売れずに使い物にならなければ、使い物にならない分を減損という形で特別損失を損益計算書で計上しなければいけません。

さらに売れなければ損益計算書では売上が上がらず、利益を出すためには経費削減となります。

売れなければ価格を下げるしかありませんので、企業の商品価格は下がります。

モノが売れないと損失を計上しないといけない例

例えば、あなたがりんごを売る商売をしているとして、だれもりんごを買ってくれる人がいなければその在庫はどんどん溜まっていきます

しかし、売り物であるりんごには賞味期限があります

りんごの賞味期限が来てしまい、売るはずだったりんごが使い物にならなければその分を損失計上しないといけなくなります。

企業はモノやサービスを売って損失を出さないためにために人に買ってもらえるまで価格を下げなければいけません

よって、販売価格もさらに下落しています。

 

では、企業の売上が上がらなければどうなるのでしょうか。

それはあなたの給料も上がらないということを意味しています。

つまりモノの値段が上がらないデフレはさらに深くなり続いていくということですね。

 

これらを表している図が、図5.となります。

設備投資など

設備投資・研究開発投資額

つづいて、設備投資・研究開発投資額を見ていきましょう。

2003_短観_6-1
図6-1. 設備投資・研究開発投資額
出典:日本銀行

設備投資額では、製造業及び非製造業の大企業は設備投資は計画ベースで減少しており、全体的に設備投資が減っている状況であることがわかります。

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図6-2. 設備投資・研究開発投資額
出典:日本銀行

研究開発投資額に関しても全企業において計画ベースで減少しているようです。

ソフトウェア投資額

ソフトウェア投資額を見ましょう。

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図7-1. 設備投資・研究開発投資額
出典:日本銀行
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図7-2. 設備投資・研究開発投資額
出典:日本銀行

ソフトウェア投資額はとくに中小企業の設備投資が計画ベースで目立って上がっています。

土地投資額

設備投資の最後に、土地投資額を見ていきましょう。

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図8. 土地投資額
出典:日本銀行

土地投資額に関しては、2019年に比べて全体的に計画ベースで土地投資に積極的ではないことが伺えます。

資金繰り・金融貸出態度

最後に、企業の資金繰りと金融貸出態度を見ていきましょう。

企業の資金繰り

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図9. 企業の資金繰り判断
出典:日本銀行

企業の資金繰りは、前回と同様に平成がはじまった年から比べると一番いい状態でかなり「楽である」ようですが、前回は昭和最後のバブル期に近い水準まで回復していた一方で、今回は下落傾向のトレンドを示していることがわかりました。

コロナショックの影響で、企業の資金繰りが厳しくなり始めたことが少し伺えます。

金融機関の貸出態度判断

金融機関の貸出態度は、金融機関のお金の貸出が「ゆるい気持ち」か「きびしい気持ち」かの判断です。

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図10. 金融機関の貸出態度判断
出典:日本銀行

現状の金融機関の貸出は「ゆるい」と判断されており、平成はじまって今の貸出がゆるい状態が続いていることが伺えます。

またこちらもバブル期まで回復していることがわかります。

個人的に金融機関の貸出がゆるい原因は金融機関は民間の借り手が少なく、利益が上げられていないので、貸出金利を下げてでも貸し出さないといけない状況であると考えています。

ただ、企業側の資金繰りと同様に下振れはじめていることがわかりました。

今後、コロナショックで金融機関の貸出態度にどう変化があるのか、注目です。

まとめ

今回は2020年4月1日に日銀から発表された日銀短観をみてきました。

 

2019年10月の消費増税の影響に加え、コロナショックとダブルパンチを食らっている日本経済は、前回の2019年6月、9月、につづいて、モノやサービスが過剰に生産されており、在庫がたまりつつあって、価格を下げてでも売らないいけない状況なので、日本経済はさらに停滞していることがわかりました。

 

上記で説明したように、企業が在庫を多く抱えることになれば、在庫の減損リスクも高まります。

 

そうなってくると企業全体のキャッシュフローも悪化していく可能性が高くなります。

 

日本の経済をコントロールしているのは日銀や日本政府も含まれます。

日銀の役割や日本政府との貸借対照表について解説は以下の記事となっておりますのでご覧ください。

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