どうも、あおりんご(@aoringo2016)です。
2021年7月1日に日銀から短観が発表されました。
今回の調査対象となっている2021年4月~6月は、緊急事態宣言下ではあったもののコロナ禍から個々の企業がかなり回復した期間でありました。
それでは、順にみていきましょう。
【日銀短観 解説のバックナンバー】
■日本経済超回復!2021年4月発表の日銀短観を4つのポイントからわかりやすく解説
■【経済動きはじめ!?】2020年12月発表の日銀短観をわかりやすく解説
■【経済上向き!!】2020年10月発表の日銀短観をわかりやすく解説
■【まとめ】2019年12月発表の日銀短観をわかりやすく解説
■【まとめ】2019年10月発表の日銀短観をわかりやすく解説
日銀短観の見方
日銀短観の見方や説明はこちらで紹介しておりますのでご覧ください。
① 業況判断DI
まずは、業況判断DIです。
今回発表された業況判断DIは、とくに製造業関係が上向きつつあることがわかりました。
米中の景気回復の影響からか、日本製造業の輸出が盛んであるということでしょう。
特筆すべき点は、
- 木材・木製品:18(前回比 24)
- 化学:23(前回比 18)
- はん用機械:32(前回比 22)
- 生産用機械:26(前回比 18)
です。
去年の2020年に、企業が大きな設備投資をできなかったので、今からどんどん活性化されていくのではないか、と予想できます。
一方で、サービスや宿泊関係は以下の通りです。
- 対個人サービス:–31(前回比 20)
- 宿泊・飲食サービス:–74(前回比 7)
2021年4~6月の間に、緊急事態宣言もあったなかではありますが、徐々に回復傾向にあることがわかります。
体力勝負になったこれらの業種は、存続できるだけの貸借対照表が備わっている企業が生き残るフェーズとなってきています。
次に、チャートで見てみましょう。
製造業では、コロナショックから経済が立ち直ったことが図3.チャートのからわかります。
反対に非製造業は上向きつつありますが、製造業ほど立ち直ったとは言い難いでしょう。
② 需給・在庫・価格判断
つづいて、需給・在庫・価格判断を見ていきましょう。
図5.需給・在庫・価格判断より、変化幅を見ると4月の日短観発表時よりも、モノが動き出しつつあることがわかります。
注目すべき点は、仕入価格の上昇です。
仕入値が上がるということは、製品の原価増になります。
そうなれば、将来的に販売価格に影響が出てくるでしょう。
今回の段階ではまだ販売価格の急激な上昇は観測されていませんが、今後はモノの価格が上がってくることが予想されます。
③ 設備投資など
設備投資・研究開発投資額
つづいて、設備投資・研究開発投資額を見ていきましょう。
今年の設備投資額は、コロナ禍でできなかった設備投資が大企業を中心に活発になりそうです。
研究開発投資額は、特筆すべきは中小企業の非製造業がさらなる大きな研究開発の計画を検討していることが伺えます。
ソフトウェア投資額
ソフトウェア投資額を見ましょう。
コロナ禍で、IT関連の設備機器投資の必要性を考えさせられた期間でした。
数字を見る限り、ソフトウェア投資額はさらに増えることが予想されます。
土地投資額
設備投資の最後に、土地投資額を見ていきましょう。
ソフトウェアなどのIT関係とは反対に、土地投資額は全く計画されていないようです。
2021年7月1日に発表された路線価では、土地の値段が安くなっていました。
価値のある土地を見つけるいいチャンスかもしれません。
④ 資金繰り・金融貸出態度
最後に、企業の資金繰りと金融貸出態度を見ていきましょう。
企業の資金繰り
企業の資金繰りは、上向きました。
政府の経済対策による資金提供により、コロナによって企業の大きな倒産は免れたと言えます。
金融機関の貸出態度判断
金融機関の貸出態度は、金融機関のお金の貸出が「ゆるい気持ち」か「きびしい気持ち」かの判断です。
現状の金融機関の貸出は「ゆるい」と判断されています。
金融機関の貸出がゆるい原因は、お金の需要が日本の民間企業に少なく、お金の借り手が少ないと言えます。
まとめ
今回は2021年7月1日に日銀から発表された日銀短観をみてきました。
2021年4月~6月は、緊急事態宣言下ではあったもののコロナ禍から個々の企業がかなり回復した期間でありました。
あおりんご