どうも、あおりんご(@aoringo2016)です。
2021年4月1日に日銀から短観が発表されました。
今回の調査対象となっている2021年2月~3月は、人が動き出し、経済が回ってきた期間でありました。
そのため今回の日銀短観は、前回12月に発表された日銀短観から経済がかなり動いてきたことが伺えました。
それでは、順にみていきましょう。
【日銀短観 解説のバックナンバー】
【経済動きはじめ!?】2020年12月発表の日銀短観をわかりやすく解説
【経済上向き!!】2020年10月発表の日銀短観をわかりやすく解説
日銀短観の見方
日銀短観の見方や説明はこちらで紹介しておりますのでご覧ください。
① 業況判断DI
まずは、業況判断DIです。
今回発表された業況判断DIは、全産業で日本の経済が回復してきたことがわかりました。
今回の調査対象となっている2021年2月25日~3月31日は、コロナウイルスと隣合わせではあるものの、人々が動き出すことで経済が回復した期間でした。
そのため、数字上でも確認できるように日本の経済が回復しています。
特筆すべき点は、鉄鋼や非鉄金属、自動車業界は、世界経済も活況になってきたため、その結果が数字からわかります。
今回の短観でも前回12月時点と同様に、主に「製造業」の上向きが確認できました。
一方で、サービスや宿泊関係は以下の通りです。
- 対個人サービス:–51(前回比 –43)
- 宿泊・飲食サービス:–81(前回比 –66)
2020年12月半ばに、政府はGoToキャンペーンやGoToイートなどを年末年始にかけて中止することを決定し、その後もコロナウイルスの増加も相まって、未だに回復傾向が見れません。
対個人サービス業界や宿泊・飲食サービス業界の企業は、体力勝負となっています。
前回もお伝えしていますが、存続できるだけの貸借対照表が備わっている企業が生き残るフェーズとなってきています。
<関連>【絶対わかる】会社の貸借対照表(BS)とは?わかりやすく図解
次に、チャートで見てみましょう。
製造業では、コロナショックからかなり回復したことが図3.チャートのからわかります。
非製造業も、製造業と同様にコロナショックによる経済停滞の底を打ちましたが、製造業ほどの回復は見せておりません。
② 需給・在庫・価格判断
つづいて、需給・在庫・価格判断を見ていきましょう。
図5.需給・在庫・価格判断より、変化幅を見ると12月の日銀短観発表時よりも、モノが動き出しつつあることがわかります。
販売価格や仕入れ価格も徐々に上り調子になっていることから、企業の売上も回復しつつあり、最終的には物価の上昇につながるでしょう。
<関連>【日本の経済指標】消費者物価指数とは?わかりやすく解説
③ 設備投資など
設備投資・研究開発投資額
つづいて、設備投資・研究開発投資額を見ていきましょう。
設備投資額は、今年の計画ではコロナ禍でできなかった設備投資が大企業を中心に活発になりそうです。
反対に中堅企業以下は、設備投資に積極的な姿勢ではないようです。
研究開発投資額に関しては、特筆すべきは中小企業の非製造業がまれにみる大きな研究開発の計画を検討していることが伺えます。
ソフトウェア投資額
ソフトウェア投資額を見ましょう。
コロナ禍で、IT関連の設備機器投資の必要性を考えさせられた期間だったと思います。
これらの数字から全産業において、さらなるIT化、DX化が進むことが予想されます。
土地投資額
設備投資の最後に、土地投資額を見ていきましょう。
ソフトウェアなどのIT関係とは反対に、土地投資額は全く計画されていないようです。
土地の値段が安くなる可能性がありますね。
④ 資金繰り・金融貸出態度
最後に、企業の資金繰りと金融貸出態度を見ていきましょう。
企業の資金繰り
企業の資金繰りは、上向きました。
これは確実に政府の経済対策による資金提供のおかげでしょう、大惨事には至りませんでしたね。
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金融機関の貸出態度判断
金融機関の貸出態度は、金融機関のお金の貸出が「ゆるい気持ち」か「きびしい気持ち」かの判断です。
現状の金融機関の貸出は「ゆるい」と判断されています。
個人的に、金融機関の貸出がゆるい原因は、大きく投資をして会社を大きくするためのお金の需要が日本の民間企業に少なく、お金の借り手が少ないと考えています。
また、日銀による金融緩和政策も相まって、お金が世の中に溢れている状況であることが伺えます。
いわゆる、マネーストックの増加を指します。
<関連>あなたが知らないマネーストック統計とは?推移データでわかりやすく図解
まとめ
今回は2021年4月1日に日銀から発表された日銀短観をみてきました。
【まとめ】2020年7月発表の日銀短観をわかりやすく解説のコロナ禍よりもかなり日本経済が回復してきたことがわかりました。
あおりんご