どうも、あおりんごです。
あなたは信用創造を知っていますか?
経済と金融の仕組みをしっかりと理解していないと信用創造は難しいかもしれません。
そこで今回は、信用創造についてご紹介します。
- 信用創造とは資金需要
- モノの需要がなければ資金需要もないので経済停滞
- 信用創造のリスクは返済能力といき過ぎたインフレ
信用創造とは
信用創造(Money Creation)とは
信用創造とは、つまり資金需要のこと。
世の中がモノを欲したとき、モノの需要に対して供給力を高めるために企業の借入金や政府の国債などの負債を増やすことでお金が必要だと求められたときに、中央銀行から世の中に新しくお金が供給される仕組みを信用創造という。
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信用創造の仕組み
さて、それでは信用創造の仕組みを見ていきましょう。
信用創造 = 資金需要です。
お金は世の中のモノの需要が増えたときにお金の通り道(つまり金融)がよくなります。
モノとカネは表裏の関係です。
例えば政府が国民に消費喚起を促すために経済対策を打つとします。
経済対策を打つときにはお金(資金の需要)が必要であるので、政府の負債である国債が発行され、最終的に中央銀行が買うことで当座預金が増えることで結果的に世の中のお金が増えます。これを信用創造と言います。
一方で企業が国民のモノの需要に応えるために工場を作ったり機械を買ったりと設備投資しようとします。もちろん自己資金で賄えればよいのですが、それができない場合は借入金を銀行に依頼します。
銀行が企業の貸し出すと銀行は貸出金が増えますが、この貸出金は銀行がお金の需要がないときには銀行がお金を預けている日銀の当座預金からお金を引き出します。このとき初めて世の中のお金が増えます。これも信用創造です。
つまり世の中によりモノの需要がなければ資金需要が生まれず、どれだけお金を発行したとしてもそのお金は世の中には流れていきません。
余談ですが、これらは企業が工場を建てたり、個人が家を買いやすくするために借入金しやすい環境作りが必要です。
借入金しやすい環境、つまり借入金しても支払う利子が少ない環境は国債をたくさん発行して中央銀行に買わせることでマネタリーベースを増やし、国債の長期金利を下げることでその環境が作られます。これを金融緩和政策(買いオペ)と言います。
今、まさに日本で実践されている政策ですね。
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信用創造のリスク
信用創造のリスク① 返済能力
では「より借入金をしてどんどんお金を世の中に供給すればいいじゃないか。」という意見が出てくるでしょう。
そんなわけにはいきません。借りたお金は返すのが世の中の道理です。
ここでのリスクはもちろん借入金を返済できるか、つまりその “信用” があるか、ということです。
これら返済ができないとわかれば個人の、企業の、それらが連鎖的になれば経済の “信用” がなくなります。信用が失われた経済、例えばリーマンショックが挙げられます。
リーマンショックはまた別の機会に譲るとして、あると “信用” していたモノがなかったからショックが大きかったので、その信用が失われました。
信用創造のリスク② 過剰なインフレ
返済能力とは別にリスクになってくるのは過剰なインフレです。
お金が世の中に供給されすぎると、モノをより欲します。どの企業も設備投資をしようとすると材料が足りなくなってくるので材料を供給する企業は材料の値段を上げます。
このようにモノの値段と釣り合わなくなってくるのでモノの値段も上がります。
これらが経済全体で起こってすべてのモノの値段が上がりだすと物価が上がります。
インフレ率とは物価の前年同月比です、つまり去年よりどれくらいモノ全体の値段が上がったのか、という指標です。
このインフレが進みすぎると企業は給料を上げないと国民がモノを消費できなくなるため給料を上げざるを得ません。
給料が上がれば国民はよろこびますが企業は利益が出なくなるため、EPSが下がることでPERが高くなることから株価に割高感が出て、株価が下落して経済に悪影響を与えます。
2022年から2023年にかけて、今アメリカでまさにこのいき過ぎたインフレが起こっています。
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まとめ
今回は、信用創造についてご紹介しました。
- 信用創造とは資金需要
- モノの需要がなければ資金需要もないので経済停滞
- 信用創造のリスクは返済能力といき過ぎたインフレ
あおりんご