どうも、あおりんごです。
先日2025年5月28日に、第140回事業年度における2024年度の日本銀行の決算が発表されました。
今回は最新版の日本銀行の財務諸表をご紹介します。
- 2024年度は、2023年度より29兆円もの総資産減
- 経常収益は約4.6兆円と減収
もくじ
日本銀行の財務諸表を時系列分析
日銀の貸借対照表を分析する2つのポイント
まずはじめに日本銀行(以下、日銀)の貸借対照表です。

グラフ1. は日銀の2013年度から直近2024年度までの貸借対照表の推移です。
このデータより、特筆するポイントが2つあります。
- 2024年度は、2023年度より29兆円もの資産減
- 国債、貸出金が前年より減少(すなわち日銀当座預金も減少)
ポイント1. 2024年度は、2023年度より29兆円もの資産減
2013年以降は日本の景気に活気を取り戻すべく安倍元総理の経済対策であったアベノミクスのもと、日銀総裁の黒田氏による通称黒田バズーカにより異次元金融緩和を成功させ日銀の総資産が増加しました。
一方で2023年度は、総裁が石破総理になり総資産は減少傾向にあることがわかります。
ポイント2. 国債、貸出金が前年より減少(すなわち日銀当座預金も減少)
日銀の貸借対照表の中身は、ほとんどの資産が日本政府が発行する国債です。
今年度末では減少しています。

植田総裁に変わり金融政策の大きな方向転換を迎えました。
昨年の記事では「今後は国債の買入額を減額する方針であることからこれからの増加は考えにくい」と書きましたが、実際に国債残高が減額していることからそれが実行されていることが数字で見て取れます。
日銀の損益計算書を分析する3つのポイント
次に日銀の損益計算書です。

グラフ3. は2013年度から直近2024年度までの日銀の損益計算書の推移です。
日銀の損益計算書からは以下の3つのポイントがわかります。
- 経常収益は約4.6兆円と減収
- 内訳は経常収益の45%は国債利息、30%はETFの分配金等
ポイント1. 経常収益は約4.6兆円と減収
グラフ3.より日銀の経常収益(企業で言う売上)は約4.6兆円になっています。
これは、前年の2023年度より▲10%減収となりました。
ポイント2. 内訳は経常収益の45%は国債利息、30%はETFの分配金等

グラフ4. より、経常収益のうち国債利息が2.1兆円(45%)です。
つまり、日本銀行は国債を資産とし、政府からの国債利息1.7兆円を収入源としています。
その他、内訳は以下のとおりです。
- 国債利息:2.1兆円(45%)
- ETFの分配金等:1.4兆円(30%)
- 日銀保有株式の売却益等:0.5兆円(10%)
- 外国為替収益:0.5兆円(11%)
- その他:3.0%
日銀があげた利益の95%が日本政府の税外収入になる
さて、日本銀行の利益は95%が日本政府の税外収入となります。
これをシニョリッジ(国庫納付金)といいます。

意外に知られていない日本政府と日本銀行との関係性とは
意外と知られていない日本政府と日本銀行の関係性について書きます。
政府と日本銀行は企業で言う親子関係です。
企業でも、子会社の利益は親会社に吸収されますよね。
これは以下の記事で解説しておりますので、ぜひご覧ください。
日銀の過去の決算分析
■【2023年度最新版】日本銀行、決算発表!外貨為替で2兆円近い儲け出し過ぎな財務諸表を分析
■【2022年度】日本銀行、決算発表!日本のETF買い増し続けて分配金1兆円越えの勝ち組な財務諸表を分析
■【2021年度】日本銀行、決算発表!円安効果受けスギな財務諸表を分析
■【2020年度】日本銀行の総資産や経常収益は?財務諸表を分析
■【2019年度版】金融調整の役割を担う日本銀行の財務諸表を分析
まとめ
今回は最新版の日本銀行の財務諸表をご紹介しました。
- 2024年度は、2023年度より29兆円もの総資産減
- 経常収益は約4.6兆円と減収
