どうも、あおりんご(@aoringo2016)です。
コロナショックで世界が混乱に陥っている中、2020年10月13日にIMFが世界経済見通しを発表しました。
コロナ直後の4月のIMF世界経済見通しでは、IMFは2020年前半に起こったコロナショックを1930年代に起こった「大恐慌時代」になぞらえて、また「大封鎖」という強烈な単語を並べていました。
前回の世界経済発表時の6月は、まだロックダウンが解禁され始めた段階で、コロナウイルスの不安が残る中、経済が動きはじめた頃でした。
今回は、その6月時点の世界経済見通しの発表に予測されていた状態よりも、経済悪化が軽微だったことを示していました。
そこで今回は、2020年10月13日に発表された世界経済見通しをご紹介したいと思います。
- 世界経済へのダメージが6月時点の将来予測よりも軽微
- 医療的、経済的な多国間との協調
- 連鎖倒産の防止策
<過去ログ>
【IMF世界経済見通し発表】2020年6月時点の世界経済(改定版)を見る3つのポイント
【IMF世界経済見通し発表】2020年4月時点の世界経済を見る3つのポイント
【IMF世界経済見通し発表】2020年1月の世界経済3つのポイント
【IMF世界経済見通し発表】2019年10月の世界経済3つのポイント
【IMF世界経済見通し発表】2019年4月の世界経済3つのポイント
2020年10月にIMFが発表した世界経済見通しの3つのポイント
ポイント1. 世界経済へのダメージが6月時点の将来予測よりも軽微
今回の世界経済見通しで、1番のポイントとなったのは以下のとおりです。
世界経済へのダメージが6月時点の将来予測よりも軽微
コロナショックは、世界各国に甚大な被害を及ぼし、今まで盛んだった人の国境の行き来も一気に遮断されました。
そのような中で6月から経過した3ヶ月ですが、経済活動も活発に動きはじめた結果、2020年の全世界の経済成長率は –4.4% と予測が改訂され、前回の世界経済見通しよりも0.5%上昇しました。
この上昇要因は、以下の2つが考えられます。
- 経済活動が予想よりも早く回復しはじめた
- 中国の経済回復が早かった
という点です。
この結果は、世界がポジティブな方向に進んでいると考えてよいでしょう。
ロックダウン解禁後、各国の大規模な経済対策と、金融政策を行ったことにより、人のモノへの需要が掘削され、世界の工場となっている中国で生産が活性化されたので、中国の輸出が増加し、中国の経済回復が早かった、ということになります。
コロナウイルスへの不安はあるものの、経済も動かさないといけない方向に進みつつあります。
ここでIMFは、世界各国が目指すべき目標・目的を示しました。
世界のあらゆる企業の倒産を防ぎ、人々の雇用を守ることにより、各国GDP低下を抑える
世界中どこでも、人はお金を稼いで、生きることを最優先目的として、最低限の衣食住を整えないといけません。
自分が雇ってもらっている会社が倒産してしまったら、稼ぎがなくなるため、この最優先目的が果たせなくなってしまいます。
もし、あなたの務めている企業が倒産してしまったら、あなたはどうやって明日の食事を済ませますか?
これが世界各国では喫緊で起こっている課題です。
つまり、コロナショックから連鎖的に「経済危機悪化 → 企業倒産 → 雇用悪化」につながりかねません。
企業倒産と雇用悪化が深刻になれば、次は国家の財政に影響を与えます。
どういうことかといいますと、国家運営は、国民の税収(国の売上)によって成り立っています。
したがいまして、
- 企業倒産 → 法人税減少
- 雇用悪化 → 所得税減少
と、つながります。
これらから、国家運営で必要な資金が少なくなり、国の貸借対照表(BS)に影響が届くということです。
<関連>【2020年最新版】日本政府の財務諸表を時系列データで分析
税収が悪化すれば、国が抱えている債務返済ができなくなり、国家単位で借りているお金が返せなくなります。
最終的には、デフォルトという結果になります。
世界や企業は、サプライチェーンによってつながっています。
そのため、ひとつの企業が倒産すれば、他の企業への倒産にもつながることが懸念されます。
だから、IMFは、世界のあらゆる企業の倒産を防ぐことで、人々の雇用を守り、各国GDP低下を抑える目標を掲げました。
ポイント2. 医療的、経済的な多国間との協調
では、このIMFが示した目標・目的を達成するために必要な行動は以下の3つとなります。
- 医療的、経済的な多国間との協調
- 低い金利での貸し出し
- 返済債務の期限延長
まだ世界に猛威を奮ったウイルスに対する、人々への不安は払拭されていません。
そのため、世界各国が叡智を結集させて、ワクチン開発やウイルスを避ける行動を行っていかなければいけません。
こういった意味で、医療的な多国間との協調が必要と言えるでしょう。
さらに、グローバル化が進んだことによって、経済は一国のモノではなくなりました。
つまり、通貨でのつながりも増えています。
これらに対して、ドルの不足が怒らないように、アメリカを中心として各国がすぐに通貨スワップ協定を結び、ドルの流動性を高めました。
<関連>コロナショックで各国が結んだ通貨スワップ協定とは?わかりやすく図解
このように、経済的な多国間との協調も進んでします。
ポイント3. 連鎖倒産の防止
目標・目的達成のためには、やはり各国の経済対策、金融政策が必要となります。
そこで、IMFは、
- 低い金利での貸し出し
- 返済債務の期限延長
を、提言しています。
金融機関が低い金利を行うことにより、倒産しそうな企業が金融機関からお金を借りやすくなります。
まずは、倒産を防ぐという意味で、低金利にする必要があるでしょう。
<関連>【預金と住宅ローンの金利】貸す側と借りる側で変わる金利の違いとは?わかりやすく図解
さらにすでに貸し出しているお金(債務)が返しにくい国や企業への対応策として、お金を返済する期限を延ばす、ことを挙げています。
そうすることによって、連鎖倒産を食い止め、人の雇用を守ることが必要であると、IMFは考えています。
まとめ
今回は2020年10月13日に発表された世界経済見通しをご紹介しました。
- 世界経済へのダメージが6月時点の将来予測よりも軽微
- 医療的、経済的な多国間との協調
- 連鎖倒産の防止策
あおりんご