1-5. 【まとめ】IMF世界経済見通し

【IMF世界経済見通し発表】2020年4月時点の世界経済を見る3つのポイント

202004世界経済見通し

どうも、あおりんご(@aoringo2016)です。

 

コロナショックで世界が混乱に陥っている中、2020年4月13日にIMFが世界経済見通しを発表しました。

IMFは1年間で4回の世界経済見通しを発表します。

(前回:2019年1月の世界経済見通し)

202001世界経済見通し1
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これは、世界経済の現状がどういった状態なのか、また3ヶ月先や1年先を占う発表となっており、世界的にとても注目されているものとなっております。

また、2019年4月に発表された世界経済見通しはもっぱら「米中貿易戦争」が話題でした。

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【IMF世界経済見通し発表】2019年4月の世界経済3つのポイント どうも、あおりんご(@aoringo2016)です。   先日、IMFが世界経済見通しを発表しました。   結論からいうと現在の世界経...

今回の世界経済見通しはその状況から一変し、世界がコロナショックで悲劇に襲われていることを伝えています。

そしてIMFは、今回のコロナショックを「大恐慌時代」と比較しており、また「大封鎖」という強烈な単語を並べていました。

 

それでは今回もポイントを抑えていきましょう。

2020年4月にIMFが発表した世界経済見通しの3つのポイント

ポイント1. コロナの衝撃

今回の世界経済見通しで1番のポイントとなったのは以下のとおりです。

2020年4月の世界経済見通しのポイント1.

コロナの衝撃:世界的なコロナウイルスの影響

コロナショックは世界に甚大な被害を及ぼし、かつ今まで盛んであった国境の行き来も一気に遮断されることとなりました。

そしてIMFは「戦争や政治的危機と同じように、今回のショックの持続時間は計り知れない」と不確実性と危機感を伝えています。

したがって今後の世界経済の見通しや低迷した経済の回復は、今後のコロナウイルスのパンデミックとそれと戦う公衆衛生対策に委ねられているということです。

ポイント2. リーマンショックとの違い

今回の世界経済見通しでは、コロナショックをリーマンショックと比較しています。

2020年4月の世界経済見通しのポイント2.

リーマンショックとの違い:経済危機の2面性(金融経済と実体経済)

金融経済とは、証券や債券による経済活動です。

反対に実体経済とは、人が日々生活をする上で大切な消費にともなう経済活動です。

そして今までの経済危機というものは、どちらかといえば金融がクラッシュして起こるもの、でした。また筆者もそう考えていました。

しかしながら、この2面性がコロナショックとリーマンショックとの大きな違いとなります。

記憶にない方もいらっしゃるかと思いますが、直近の大きな世界的経済危機は10年前のリーマンショックで、これは金融のクラッシュから始まりました。

少し振り返ると、英語では「The Financial Crisis of 2007-2008」などと呼ぶことが一般的な「リーマンショック」は、アメリカの投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破綻したことによって、連鎖的な世界規模の金融危機が経済危機につながったことに由来しています。

住宅バブルの崩壊がきっかけで、サブプライム住宅ローンなどの焦げ付きにより資産価格の暴落がおこりました。

つまり、発端はお金の流れが止まったことによる金融経済の崩壊で、それが実体経済へ影響を与えたことで世界経済危機へとつながりました

一方で、今回のコロナショックは、リーマンショックのような金融経済のクラッシュではなく、完全な実体経済がクラッシュしたこととなりました。

つまり、コロナウイルスが人から人へ感染することでその危険が世界へと広がった結果、人との接触、人の動きや人の消費活動がストップしました。

これらが金融経済へと影響したことで、アメリカのダウや日本の日経平均株価も暴落を起こしました。

その実体経済のストップが金融経済へ影響を及ぼし、現在は世界的経済危機につながりつつあります。

IMFは、公衆衛生対策の大きな貢献によってコロナウイルスからの回復の兆しが見えたときに

社会の経済的・金融的なインフラを保ち、労働者と企業、資金の貸し手と借り手の経済的つながりを維持するための大規模かつ的を絞った財政、通貨、金融対策が必要

2020年4月 世界経済見通し(出店:IMF)

と伝えています。

これには国内で言えば政府や中央銀行、そして国境を越えれば国と国との多国間強調が重要となってくるのではないでしょうか。

ポイント3. 90年前の世界大恐慌との対比

ここ数十年で、これまでに世界経済がストップしたことはなく、振り返ってみれば1929年にアメリカのウォール街大暴落から始まった「世界大恐慌」まで歴史を戻ることとなったようです。

2020年4月の世界経済見通しのポイント3.

90年前の世界大恐慌との対比:

歴史と同じ轍を踏まないための国家レベルでの対策

ウォール街大暴落がなぜ起こったのか、その理由はわからないそうですが、世界大恐慌はかなり尾を引いてしまったようです。

当時の世界大恐慌は最後の貸し手が存在しなかったことからアメリカのGNP(現在でいうGDP)が約30%低下したことで、経済が復活するまで10年かかりました。

世界大恐慌のような悲劇を起こさないためにも、今回はIMFをはじめ、国家レベルで各国が経済的打撃を抑えるために積極的に関与しています。

例えばアメリカが中心となって、リーマンショック以来となる通貨スワップ協定を6各国で締結しました。

通貨スワップ協定1
コロナショックで各国が結んだ通貨スワップ協定とは?わかりやすく図解 どうも、あおりんごです。 コロナショックを受けて今朝方こんなニュースが飛び込んできました。 日米欧など6中銀、ドルの流動性拡充...

さらに日本国内でも政府や日銀が中心となって日本経済が低下しすぎないよう、

などの経済対策を打ち込んでいます。

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まとめ

筆者はちょうど去年の2019年4月からこのIMFが発表する「世界経済見通し」のポイントを抑える記事を書いてきました。

IMFは世界的に賢い人が人種を越えて集まって仕事をされているすばらしい世界機関なのですが、1年間やってきて思うのはいくらどれだけ賢い人が集まったところで「見通しなんて当たらない」ということです。

ぼくがこういうことを言うのもおこがましいお話ではありますがやっぱり世の中の先を見ることは誰もできないということです。

今回のコロナショックによって起こった株価の暴落や経済のストップをを誰が予測したでしょうか。

 

つまり、その予測はできないということです。

ではこれからぼくたちが生きていく上でどうすればよいのでしょうか。

個人的に生きていく上では予測できないことに対応する力が必要となります。

それはどんな力かというと予測するのではなく、変化に対応するために情報を集め、行動していく力です。

日々、自分でできないことを知り、できることに集中することでその力は身についていくのではないでしょうか。

あおりんご