どうも、あおりんご(@aoringo2016)です。
先日、第136回事業年度における2020年度の日本銀行の決算が発表されました。
今回は最新版の日本銀行の財務諸表をご紹介します。
- 2013年以降、日本銀行の総資産が増加傾向
- 2020年度はコロナの影響を受け発行された国債を購入
- 日銀の経常収益の45%は国債利息、30%はETFの分配金
日本銀行の財務諸表を時系列分析
日銀の貸借対照表を分析する2つのポイント
まずはじめに日本銀行(以下、日銀)の貸借対照表です。
グラフ1. は日銀の2013年度から直近2020年度までの貸借対照表の推移です。
このデータより、特筆するポイントが2つあります。
- 2013年以降、総資産が増加傾向
- 2020年度はコロナの影響を受け発行された国債を購入
ポイント1. 2013年以降、総資産が増加傾向
2013年以降は、日銀総裁の黒田氏による通称黒田バズーカにより日銀の総資産が増加しています。
この結果、異次元金融緩和となっています。
ポイント2. 2020年度はコロナの影響を受け発行された国債を購入
日銀の貸借対照表の中身に目を向けると、ほとんどの資産が国債です。
国債は日本政府が発行しているものです。
そして、世界をどん底に落とした新型コロナウイルス感染症の影響を受け、日本政府は2020年4月〜12月にかけて、補正予算で財源を積み増しました。
その補正予算は、国債をさらに発行して日本銀行に購入させることによって財源を確保する方法をとったこの結果、日本国民全員に10万円が配られました。
日銀の損益計算書を分析する3つのポイント
次に日銀の損益計算書です。
グラフ2. は日銀の2013年度から直近2020年度までの損益計算書の推移です。
日銀の損益計算書からは以下の3つのポイントがわかります。
- 経常収益は約2.4兆円
- 経常収益の45%は国債利息、30%はETFの分配金
- 日銀の利益の95%が日本政府の税外収入
ポイント1. 経常収益は約2兆円
グラフ2.より日銀の経常収益(企業で言う売上)は約2.4兆円になっています。
ポイント2. 経常収益の45%は国債利息、30%はETFの分配金
日銀の経常収益のうち50%は国債の利息となります。
グラフ3. より、経常収益のうち国債利息が1.2兆円(53%)となります。
内訳は以下のとおりです。
- 国債利息:1.1兆円(45%)
- ETFの分配金等:0.7兆円(30%)
- 日銀保有株式の売却益等:0.3兆円(10%)
- 外国為替収益:0.3兆円(13%)
- その他:2.0%
つまり、日本政府から買った資産保有している国債からの利息が1.1兆円あるということになります。
またETFの分配金等は、日銀のETF買いによる投資信託会社からの分配金、さらに日銀保有株式の売却益等はその売買益となります。
ポイント3. 日銀の利益の95%が日本政府の税外収入
収益から費用を差っ引かれて残った日銀の利益は、国庫納付金として日本政府の税外収入となります。
日銀の2020年度の当期純利益は1.2兆円でした。
この日銀の利益、つまり企業で言う当期純利益の95%はシニョリッジにより日本政府の税外収入となります。
意外に知られていない日本政府と日本銀行との関係性とは
ここで気になるのが、日本政府と日本銀行の関係性についてです。
これは以下の記事で解説しておりますので、ぜひご覧ください。
まとめ
今回は最新版の日本銀行の財務諸表をご紹介しました。
- 2013年以降、日本銀行の総資産が増加傾向
- 2020年度はコロナの影響を受け発行された国債を購入
- 日銀の経常収益の45%は国債利息、30%はETFの分配金
あおりんご