3-2. 投資(資産運用)

【図解】現在価値とは?求め方や割引率との関係、計算方法をわかりやすく

現在価値とは

どうも、あおりんごです。

あなたは友人からこう言われたらどうしますか?

10年後に同額キッチリ返すから、今100万円を貸してくれ!!!

生きていれば、友人だけでなく、家族や同僚までもこういうお話はありがちではないでしょうか。

最初に言っておきますね。

10年後の100万円は、今の価値に計算するとたったの38万円にしかなりません。

大事なことなのでもう一度いいます。

10年後の100万円は、今の価値に計算するとたったの38万円にしかなりません。

どんなに素晴らしい友人で10年後に100万円が100%返ってくるのが確実であったとしても、今日貸した10年後に返ってくる100万円は現在の価値に換算すると38万円なんです!

え、同じ100万円なのに、100万円じゃないの!?

と、驚かれるかもしれません。

そこで今回は、この現在価値計算についてトコトン解説していきたいと思います。

この記事のポイント3つ

  1. 10年後の100万円は現在価値では38万円にしかならない
  2. 現在価値の計算式とは
  3. 割引率(ディスカウントレート)の考え方

将来の価値を今の価値で計算する割引現在価値とは

割引現在価値とは

 

割引現在価値とは

将来のある時点(上記の例で言えば10年後)における価値を、今の価値として考えた場合にどれくらいの値段になるか、という考え方

割引現在価値の計算方法

将来価値の計算方法

まずは、現在の価値を10年後の価値に計算していきましょう。

これを将来価値の計算といいます。

計算を簡単にするために条件をつけておきます。

現在価値とディスカウントレート2
図2. 現在価値とディスカウントレート

という条件です。

 

必ず返ってくる設定ですので、10年後の返済は100%としています。

また今回は、利回り10%の国債とします。

つまり1年間保有すれば必ず10%のリターンが保証されている国債を100万円分買うとします。

<関連>【95%の国民が知らない】日本政府が発行している国債とは?その仕組みをわかりやすく図解

はじめに、利回り10%の国債を買った場合の100万円が10年後にはどれくらいの価値を持っているのか計算していきましょう。

まず、1年後はどれくらいでしょうか。

現在価値とディスカウントレート3
図3. 現在価値とディスカウントレート

1年後は100万円に10%のリターンが上乗せされますので110万円です。

来年10%増えていますからね。

簡単ですよね?

それでは、2年後はどうでしょうか?

現在価値とディスカウントレート4
図4. 現在価値とディスカウントレート

2年後は121万円です。

ちょっとむずかしい式になりましたね笑

複利計算ですので、割引現在価値は

110万円 x 10% = 121万円

になります。

<関連>複利効果で4.4倍!?金持ちだけが投資でやっている資産運用の極意とは

ではでは、、さらにこれを10年間くりかえしていくと、10年後にはどれくらいになっているのでしょうか。

現在価値とディスカウントレート5
図5. 現在価値とディスカウントレート

10年前は100万円だったのが、10年たった今は259万円になりました

このように複利計算していきますと、どんどん増えていくことがわかります。

割引現在価値の計算方法

つぎは、逆に10年後に100万円戻ってくる計算をしてみます。

これが割引現在価値の計算となります。

つまり、利回り10%の国債に投資して10年後の価値が100万円なっている場合に、今の価値ではどれくらいになるのか、という計算です。

まず国債に投資して1年後に100万円であれば、今の価値はどれくらいになるのかを見ていきましょう。

現在価値とディスカウントレート6
図6. 現在価値とディスカウントレート

という計算式になります。

したがいまして、

現在価値とディスカウントレート7
図7. 現在価値とディスカウントレート

1年後に100万円になるのであれば、今の価値は91万円になります!

では同じように計算して、10年後に100万円になるには今の価値はどれくらいになるのでしょうか??

現在価値とディスカウントレート8
図8. 現在価値とディスカウントレート

ということで、10年後に100万円になるには、今の価値はたった38万円にしかなりません。

え、、少なっっっ!!!

いえ、少なくありません。

割引現在価値で現実を計算すればこれくらいにしかなりません。

今年貸した100万円が、10年後に友人から100万円を返してくれたとしても、それは今の価値ではたった38万円にしかならないことになります。

割引率(ディスカウントレート)とは

少し難しいなぁと感じた方もいらっしゃるかと思います。

なぜならそれは、

普段こんな考え方なんかしないから!!!

です。

これらの計算は、将来の価値を現在の価値に割り引くという考え方をしています。

そして、現在価値に割り引く数字を割引率(ディスカウントレート(%))といいます。

割引率(ディスカウントレート)

r = 期待するリターン(利回り)

現在価値とディスカウントレート9
図9. 現在価値とディスカウントレート

ディスカウントレートは、” r ” を使って表します。

現在価値の計算式

以上の現在価値についてを簡単な計算式に直すと、次の図10.になります。

現在価値とディスカウントレート10
図10. 現在価値とディスカウントレート

「” c ” :毎年の(フリー)キャッシュフロー」となっていますが、現在価値は原則的にフリーキャッシュフローが発生するという前提で考えます。

<関連>死ぬほど重要!トップ経営者が強調するフリーキャッシュフローと計算式とは

「” c ” :毎年の(フリー)キャッシュフロー」となっていますが、現在価値は原則的にフリーキャッシュフローが発生するという前提で考えます。

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金融機関も現在価値の考え方を使って商売している

あなたは、とても大切なお金の考え方を学びました。

それは、お友達であれ、誰であれ、あなたが誰かにお金を貸すことは、実はあなたは銀行などの金融機関と同じ行動をしていることです。

どういうことかというと、あなたが銀行などでお金を借りればもちろん必ず利子をあわせて借りたお金を返済しなければいけないですよね。

<関連>【預金と住宅ローンの金利】貸す側と借りる側で変わる金利の違いとは?わかりやすく図解

銀行は誰かにお金を貸して利子をもらうことで、銀行の儲け(利益)としています。

これを運用といい、いわゆる資産運用のことです。

<関連>絶対学校で習わない!人生豊かにするお金を増やすたった1つの仕組み

したがって、以下の行動は広い意味であなたは資産運用していることと変わりません。

  • 自分の資産(お金)を投資すること
  • 株や国債を買ってリターン(利回り)をもらうこと
  • お友達に貸してリターン(利回り)をもらうこと

資産運用する上で、現在価値の考え方はとても大切なのです。

こういったお金の知識を金融リテラシーとも言いいます。

<関連>ヤバいかも?20代みんながやってる貯金投資のリスクを金融リテラシーから解説

<関連>【配当は現金の242倍】株や国債、現金の資産利回りとは?比較してわかりやすくグラフ化

しかしながらこのような考え方は金融市場では当たり前の世界です。

もしもあなたが資産を持って人生を生きたいのであれば、ぜひとも知っておきたい知恵ですね!

割引現在価値の計算でオススメしたい本

割引現在価値や割引率についてオススメしたい本はこちらです。

すごくわかりやすいので、ぼくも何回も読み返しました。

もし深く勉強したい方がいらっしゃればこちらをぜひともご参考ください。

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まとめ

今回は、現在価値とディスカウントレートについてご紹介しました。

この記事のポイント3つ

  1. 10年後の100万円は現在価値では38万円にしかならない
  2. 現在価値の計算式とは
  3. 割引率(ディスカウントレート)の考え方

あおりんご