どうも、あおりんご(@aoringo2016)です。
あなたは、限界利益率を知っていますか?
限界利益とは、企業経営でかかる費用を固定費と変動費の2つにわけて、売上から変動費を差し引いた値を限界利益といいます。
つまり、売上に対し限界利益の割合がどれくらいかを示す値が限界利益率といいます。
これは損益計算書にかかれている営業利益のことではなく、企業のことをさらに細かく知るために用いられる分析指標のひとつです。
言葉や数字で表すととてもわかりにくいので、今回はこの限界利益率を図やグラフでわかりやすくご紹介していこうと思います。
- 限界利益は売上から変動費を引いた値
- 限界利益率は売上に対する限界利益の割合
- 限界利益が高いほど企業に利益が残りやすい
限界利益率を知るための限界利益とは
限界利益とは
限界利益率を知るためにまず限界利益を理解していきます。
限界利益とは以下のことをいいます。
限界利益とは、売上から変動費を引いた値。 限界利益 = 売上 – 変動費 売上が追加で上がるごとに増える利益のこと(限界とは「ギリギリ」という意味ではなく「1単位追加で上げるごとに」という意味)。
売上と費用
限界利益を知るために、まずは売上と費用の関係性を見ていきましょう。
例えば、ある企業がりんごを販売したとします。
すると売上が上がります。
一方で、売上が上がればもちろん費用もかかってきます。
最初は費用がかさみますが、売上が上がれば上がるほどその費用がカバーされて利益が出始めるものです。
その費用についてですが、企業を経営する上では実はさまざまな種類の費用があります。
費用の種類を挙げてみると、例えば
- りんごを作る木や肥料
- 工場などの建物そのもの、光熱費などの維持費
- 人を雇う人件費
- 販売するための運送費、ガソリン代
など、簡単に考えるだけでもいろんな費用が見えてきます。
企業はこれらを考慮した上で、販売する商品やサービスの値段(価格)を決めています。
費用を分ける固定費と変動費とは
企業経営にかかってくる費用は大まかに2項目の費用にグループ分けすることができます。
- 固定費:売上の変動に関わらず発生する費用
- 変動費:売上の変動によって変わる費用
それでは、さきほど図3.で考えた費用を固定費と変動費にグループ分けしてみましょう。
図4. のように費用は固定費と変動費に分けることができました。
限界利益を知るための固定費
固定費とは、企業を経営する上で売上の変動に関わらず発生する費用のことでした。
例えば、
- 工場などの建物そのもの、光熱費などの維持費
- 人を雇う人件費
のように、家賃や光熱費、人件費は売上が上がらなくても支払わないといけない費用です。
限界利益を知るための変動費
一方で変動費とは、企業を経営する上で売上の変動して変わる費用のことでした。
例えば、
- りんごを作る木や肥料
- 販売するための運送費、ガソリン代
というように、販売するために生産が増えれば増えるほどりんごを多く作らないといけませんし、そのために運ぶ運送費もかかってきます。
逆に売れなければ、これらの費用は小さくなります。
したがって変動費は売れば売るほどかかる費用ということです。
限界利益の求め方と計算式とは
冒頭で限界利益の求め方と計算式は以下のようにお伝えしました。
限界利益 = 売上 – 変動費
限界利益を今まで用いてきたグラフで表すと以下の図のようになります。
つまり限界利益を求めることによって
- 売り上げたときに得られる直接的な利益はどれくらいか
- 企業にどれくらい利益が残るか
が計算できます。
限界利益率とその計算式とは
限界利益率とは
限界利益がわかれば、限界利益率という数字がわかります。
限界利益率とは以下のとおりです。
限界利益率とは売上高に対する限界利益の割合のこと。
限界利益率 = 限界利益 / 売上高 =(売上高 – 変動費)/ 売上高
限界利益率が大きいほど企業に利益が残りやすいということになります。
つまり、売れば売るほど利益が出やすい経営体質となっています。
一方で、限界利益率が小さいほど、企業に利益が残りにくくなるということです。
つまり、商品を売っても利益が出にくい経営体質ということです。
限界利益率を長期投資に活かす
限界利益と限界利益率がどれくらいかわかれば、長期投資にかなり活かせるのではないかと考えています。
例えば売上の成長率が高く、まだその伸びしろがあって、さらに限界利益率が高いのであれば、長期的に利益が大きく残ることでフリーキャッシュフローも大きくなり、企業価値としても高くなることが予測できます。
すると現在のPERは高くても将来EPSが大きくなりやすいことがわかるので、将来的なPERは低くなる可能性があることがわかります。
<関連>【わかりやすく図解】株式投資で使うPER(株価収益率)とその計算式とは
利益が出るのであれば低PERとなり、市場価値が低い(つまり株価が安い)と判断される可能性が高く投資家の買い要因につながります。
もちろん、これらは売上高が伸びる前提にありますので、その企業がどんなビジネス(システム販売?ネジ販売?りんご販売?etc.)をやっているのか、またそれは将来(自信が想定する期間のスパンにもよる)に伸び続けるのか、も考慮する必要があります。
まとめ
今回は限界利益について図やグラフでわかりやすくご紹介してきました。
- 限界利益は売上から変動費を引いた値
- 限界利益率は売上に対する限界利益の割合
- 限界利益が高いほど企業に利益が残りやすい
ぜひとも投資活動に生かしていきたいものですね。
あおりんご