2-1. 日本銀行とその役割

【わかりやすく図解】行政発行の政府小切手とは?重要なのは日銀当座預金と国債

政府小切手の一連の流れ

どうも、あおりんご(@aoringo2016)です。

 

あなたは政府小切手をご存知でしょうか。

はじめて聞く方も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、行政機関が発行する政府小切手は民間銀行の預金を自然に増加させることができます。

 

そこで今回は実際に使われている政府小切手について解説していきたいと思います。

この記事のポイント3つ

  • 政府小切手は政府が発行できる小切手
  • 政府小切手の担保は日銀当座預金
  • 政府小切手の発行は民間銀行の預金を自然に増加させる

政府だけが使える政府小切手とは

政府小切手とは

政府小切手とは、以下のとおりです。

政府小切手とは

日本の行政機関が振り出した日本銀行を支払金融機関とする小切手のこと。

政府小切手を現金に換えるときは、日本銀行一般代理店を含む民間金融機関が担う。

日本の省庁などが民間企業に業務を委託したときに使われる小切手のことです。そしてこの小切手は日本銀行が支払金融機関となっています。

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政府小切手を受け取った場合の現金への換金方法

政府小切手は以下の図のイメージです。

政府小切手
図1. 政府小切手

政府小切手の表面には、支払地や支払金融機関名(日本銀行の本支店、一般代理店)が記載されています(下図参照)。

その支払金融機関に小切手を持っていくと現金に換金してくれます。

 

一方で、支払金融機関以外では現金を受け取ることはできせん

ちなみにここに書かれている支払金融機関は主に

  • 日本銀行代理店
  • 大手都市銀行
  • 地方銀行

となっています。

なお、詳細な支払金融機関が気になる方は日本銀行のホームページでご確認ください。

政府小切手から現金へ変換されるお金の流れ

政府小切手と日銀当座預金の役割

次に政府小切手から企業が受け取る現金へ変換されるお金の動きを見ていきましょう。

 

政府小切手は、主に日銀当座預金を利用します。

なぜなら日銀当座預金の役割は以下の2つを担うからです。

つまり、民間企業は日銀当座預金を利用することはできませんが、政府なら自由に使えるということであり、また政府小切手はこの日銀当座預金から引き出されるからです。

以下の図2は、政府、日本銀行、さらに民間銀行の貸借対照表をわかりやすく横一列に並べています。

政府小切手と日銀当座預金
図2. 政府小切手と日銀当座預金

貸借対照表の仕組みがわからない方は、以下の記事を読むことをオススメします。

貸借対照表から見る企業価値5
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さらに、政府と日本銀行は民間企業で言う親子関係となります。

この親子関係の解説は以下の記事で詳しく説明しておりますので、合わせてご覧下さい。

日本政府の貸借対照表
【誰も知らない経済と金融】日本政府と日本銀行の貸借対照表からみるお金の動きとその仕組とはどうも、あおりんごです。   2019年10月に日本政府は消費税の増税を行いましたが、ぼくは正直「本当に消費増税はする必要があるのか??...

 

この日銀当座預金にお金が入る動きは買いオペのときでも解説したように、政府が発行した国債を日銀が買い取れば日銀当座預金に入金される動きとなっていました。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

買いオペ売りオペのしくみ.
【わかりやすく図解】日本銀行が行う買いオペと売りオペとは?どうも、あおりんごです。   あなたは日本銀行の買いオペレーション・売りオペレーションを聞いたことありますか? 「日銀が買いオペを実施」...

政府小切手、発行

まずは、日本の行政機関が民間企業に業務委託したときにお金を支払いますが、上でも書いたように民間企業へは政府小切手で支払わられます。

つまりここで政府小切手が発行されます(図3.)。

行政機関が政府小切手を発行
図3. 行政機関による政府小切手の発行

政府小切手を発行するときの担保は政府が日銀に持っている日銀当座預金となります。

政府小切手は指定の支払金融機関(民銀)へ

次に、政府小切手を受け取った民間企業は現金へ換金するために、上記した支払金融機関へ政府小切手を持ち込みます。

これを支払金融機関への取り立てといいます。

政府小切手を支払金融機関で換金
図4. 政府小切手を支払金融機関で換金

図4.のとおり、民間銀行は民間企業の預金口座に政府小切手の相当額となるお金を振り込むことで、このときはじめて民間企業は現金を受け取ることができます。

民間銀行が日本銀行へ取り立て

一方で、民間銀行が民間企業に支払うと預金が減るため、政府小切手を預かった民間銀行は預かった政府小切手の相当額となるお金を日銀に取り立てます。

政府小切手の銀行間でのやり取り
図5. 政府小切手の銀行間でのやり取り

日本銀行が民間銀行から取り立てられると、その政府小切手の相当額を民間銀行が日銀に持つ日銀当座預金に振り込みます。

さらに民間銀行用の日銀当座預金が減るため、その減少分を政府用の日銀当座預金からお金を移動させます。

 

最初に日銀当座預金を担保として発行された政府小切手は、図5.からもわかるように最後に日銀当座預金の減少が起こります。

これで政府小切手から現金への換金が完了します。

政府小切手の一連のお金の流れ

政府小切手の一連の流れは次の図6.に示しているとおりです。

政府小切手の一連の流れ
図6. 政府小切手の一連の流れ

政府小切手の発行はマネーストック統計の増加を促す仕組み

今まで政府小切手の一連の流れをご説明しました。

最後に、政府小切手の発行はマネタリーベースの減少からマネーストック統計の増加につながることを解説します。

マネタリーベースとマネーストック統計の違いについては以下の記事を御覧ください。

マネタリーベースとマネーストック
【わかりやすく図解】マネタリーベースとマネーストック統計の違いと関係性とはどうも、あおりんご(@aoringo2016)です。 あなたはマネタリーベースとマネーストックがどういう内容を示すのか、はっきりと理解...

今まで見てきたように、政府小切手は日銀当座預金を担保にして発行されます。

 

図7.は

となっています。

政府小切手とマネタリーベースとマネーストック
図7. 政府小切手とマネタリーベースとマネーストック

図7.から、日銀当座預金はマネタリーベースの一部ですが政府小切手が発行されることで日銀当座預金が減少し、マネーストック統計の一部である民間企業の預金が増加していることがわかります。

 

つまり結論は、行政機関が政府小切手を発行すれば民間銀行の預金が自然と増加するということです。

ちなみに減少した日銀当座預金は、政府の国債の発行による資金調達で自由にコントロールできるということです。

まとめ

そこで今回は実際に使われている政府小切手について解説していきたいと思います。

この記事のポイント3つ

  • 政府小切手は政府が発行できる小切手
  • 政府小切手の担保は日銀当座預金
  • 政府小切手の発行は民間銀行の預金を自然に増加させる

デフレである現在の日本を活性化させるために、ケインズの理論にもあるように行政がもっと消費や設備投資を促して、日本のお金の流れを良くしてもらいたいものです。

あおりんご