どうも、あおりんごです。
1997年、日本の経済において一つの重要な転換点が訪れました。
この年、平均給与と可処分所得はそれぞれピークを迎えましたが、それ以降の時系列データを分析すると、両者が異なる軌跡をたどり、現代に至るまで日本の家計や労働環境に大きな影響を与えていることが明らかになっています。
そこで今回は、1997年を起点として平均給与と可処分所得の変化を詳しく掘り下げ、その背景にある要因や意外な事実について解説します。
- 1997年を境に起こりはじめた意外な事実
- 給料からの天引き額が多いため国民が消費するお金がない
給与上昇率 vs 可処分所得上昇率
1997年を境に起こりはじめた意外な事実とは
1997年を境に起こりはじめた意外な事実とは、
- 平均給与と可処分所得の乖離
- 可処分所得減少幅の大きさ
この2つから言えること、それは日本人の消費が伸びない理由は税金や社会保障費の多大な負担を強いられているからです。
ピーク値を記録した1997年

1997年、日本の平均給与は419万円、可処分所得は310万円と過去最高値を記録しました。
この年は経済的に安定していたものの、その後のデフレや政策変更、社会構造の変化によって両指標は下降トレンドに転じます。
年 | 平均給与(万円) | 可処分所得(万円) |
1997 | 419 | 310 |
2023 | 387 | 256 |
2023対1997比 | ▲7.6% | ▲17.4% |
2023年時点で、平均給与はピーク時より約7.6%減少し、可処分所得は約17.4%減少!
この乖離には、税制や社会保険料負担の増加が大きく影響しています。
時系列で見る変化
1980年代:成長期
1980年代、日本経済はバブル景気に向けて成長を続けていました。
この期間、平均給与と可処分所得はいずれも順調に増加しており、特に1980年から1990年までの10年間で平均給与は約40.7%増加。可処分所得も約44.2%増加しました。
この時期は物価上昇も伴いながらも実質的な購買力が高まっていた時代でした。
1990年代:安定から下降へ
1990年代初頭はバブル崩壊後の影響が徐々に現れる時期でしたが、平均給与と可処分所得は1997年まで緩やかな上昇を続けていました。
しかし、1998年以降、経済環境悪化やデフレの影響で両指標とも下降トレンドに転じます。
特に非正規雇用者の増加や社会保険料率の上昇が手取り収入を圧迫し始めた時期です
2000年代:下降トレンドの加速
2000年代にはリーマンショックなどの影響もあり、平均給与と可処分所得はいずれも大幅に低下しました。2009年には平均給与が350万円まで落ち込み、ピーク時より16.5%減少。可処分所得も247万円とピーク時より20.3%低下しました。
この主な要因は以下の2つ。
- 社会保険料や税負担の増加
- デフレによる賃金抑制
2010年代:緩やかな回復
2013年以降、アベノミクスや黒田バズーカがスタートし、日本経済は緩やかな回復基調に入りました。
一方で、平均給与と可処分所得の回復ペースは鈍い。2023年には平均給与が387万円まで回復しましたが、それでもピーク時より約7.6%低い水準です。また、可処分所得は256万円となり、ピークとの差がさらに拡大しています。
意外な事実:乖離する二つの指標
1. 平均給与と可処分所得の乖離
さて、説明したとおり、時系列データを見ると、平均給与と可処分所得には大きな乖離が生まれていることがわかりました。
例えば、リーマンショック後(2009年)から2023年まで平均給与が9.0%増加した一方で、可処分所得は2.4%しか増加していません。
2. 可処分所得減少幅の大きさ
2023年時点で可処分所得はピーク時より約17.4%減少しており、この減少幅は平均給与よりも顕著です。
結論:給料が伸びていないのにも関わらず、国民が消費にまわせるお金がない。

このような乖離は主に、税負担や社会保険料増加よるものです。
これは社会保険料率引き上げや税制改正による「見えないコスト」の増加が主な要因です。
つまり、結論は至って単純です。
1997年をピークに、給料からの天引き額が大きくなっているため、国民が消費するお金が減っているということです。

まとめ
- 1997年を境に起こりはじめた意外な事実
- 給料からの天引き額が多いため国民が消費するお金がない