3-2. 投資(資産運用)

細胞レベル分析!完全な企業分析したいならROEのデュポン分解を理解しろ

ROEを分解をする

どうも、あおりんご(@aoringo2016)です。

あなたが、企業を細胞レベルまで分析したいのであれば、ROEが分解されたデュポン式を使うことがオススメです。

そこで今回は、分解されたROEであるデュポン式について、わかりやすく図解していきます。

この記事のポイント3つ

  • デュポン式を使うことで細胞レベルまで企業分析できる
  • ROEは3つの式に分解できる
  • 総資産回転率、売上高純利益率、財務レバレッジの3つ

ROEが分解できるデュポン式とは

ROEの計算式をおさらい

ROEをおさらいしていきましょう。

自己資本利益率(ROE)
図1. 自己資本利益率(ROE)

ROEとは自己資本利益率のことで、図1.ように成り立っています。

自己資本利益率(ROE)
何がわかる?経営者が注視するROE(自己資本利益率)と計算とはどうも、あおりんご(@aoringo2016)です。 あなたは、ROE(自己資本利益率)を知っていますか? ROE(自己資本利益率)...

そもそもデュポン式とは、デュポン社が経営分析に使っていたフレームワーク

それではデュポン式の解説をしていきます。

デュポン式とは、以下のとおりです。

ROEのデュポン式とは

デュポンとは、アメリカの化学メーカーであるデュポン(Dupont)社のことで、1920年より使っていた企業分析ツールである。

そのためデュポン式とは、ROEを分解してより詳細に企業分析できるフレームワークのことである。

デュポン式:ROEを分解する

それでは、ROEを分解してみましょう。

ROEを分解したデュポン式と言われるものが以下の図2.です。

ROEを分解をする
図2. ROEを分解する

図2.よりROEはこのように以下の3つに分解できました。

  1. 総資産回転率
  2. 売上高利益率
  3. 財務レバレッジ

それではひとつずつ見ていきましょう。

総資産回転率とは

総資産回転率
図3. 総資産回転率

総資産回転率とは以下のとおりです。

総資産回転率とは

総資産回転率とは、企業がもつ資産すべてがどれだけ売上につながったのかを表す指標のこと。

売上が総資産の何倍にあるか(どれだけ回転しているのか)を表す。

総資産回転率 = 売上高 / 総資産

つまり、貸借対照表損益計算書で見ていくと次の図のとおりです。

BSとPLから総資産回転率を見る
図4. BSとPLから総資産回転率を見る

図4.のように、総資産がどれだけ売上に貢献したのかを表しています。

<関連>【絶対わかる】貸借対照表とは?わかりやすく図解

<関連>【絶対わかる】損益計算書とは?わかりやすく図解

売上高利益率とは

売上高利益率
図5. 売上高利益率

売上高利益率とは以下のとおりです。

売上高利益率とは

売上高利益率とは、売上高に対してどれだけの利益が残ったのかを表す指標のこと。いわゆる利益率と呼ばれるもの。

数値が高いほどよいが、10%以上の売上高利益率があれば業界で優位性をもった企業価値の高い優良企業と見て良い。

売上高利益率 = 当期純利益 / 売上高

つまり次の図のとおりです。

PLから売上高利益率を見る
図6. PLから売上高利益率を見る

図6.のように、売上からどれだけの利益が残ったのかを表しています。

財務レバレッジとは

財務レバレッジ
図7. 財務レバレッジ

最後に財務レバレッジについてです。

財務レバレッジとは以下のとおりです。

財務レバレッジとは

財務レバレッジとは、銀行からの借入金や社債発行をてこ(レバレッジ)として利用して、どれだけ負債を有効活用しているのかを表している。

そのため式は以下のとおりとなる。

財務レバレッジ = 総資産 / 自己資本

つまり、次の図のとおりです。

BSから財務レバレッジを見る
図8. BSから財務レバレッジを見る

そのため、財務レバレッジを見ればどれだけの借入金をしているのかがわかります

借入金などを多くすれば貸借対照表の負債項目が増えます。

ROEはROAから成り立っている

ROEはROAから成り立っています。

ROAの式は

ROA = 純利益 / 総資産

でした。

<関連>【企業価値の見抜き方】総資産利益率(ROA)の計算式と求め方とは

ROAとROE
ROAとROE

つまり、このことからROEはROAと財務レバレッジによって成り立っていることがわかります。

ROAとROEの関係性
図9. ROAとROEの関係性

まとめ

今回はROEを分解するデュポン式についてご紹介しました。

この記事のポイント3つ

  • デュポン式を使うことで細胞レベルまで企業分析できる
  • ROEは3つの式に分解できる
  • 総資産回転率、売上高純利益率、財務レバレッジの3つ

より詳細に企業を分析することで、企業の優位性を見つけ出し、フィリップ・フィッシャーのように成長する企業に投資していきたいですね。

あおりんご