1. 経済と基礎知識

日本国債vs米国国債|経済差に原因あり!データでわかる保有割合を一発比較

日本国債および米国国債の保有割合比較

どうも、あおりんごです。

あなたは日本国債と米国債でそれぞれ保有する組織に大きな差があることをご存知でしょうか?

結論から言うと、この差の大きな要因は両国の経済状況の差にありました。

そこで今回は日本とアメリカの国債の保有割合と原因についてお伝えします。

この記事のポイント

  • 日本国債は日銀が、米国債は国内金融機関が最多保有
  • 保有差は国内の経済差(つまりデフレかインフレか)
  • 目標をコアインフレ率2%以上を

一発比較!日本国債vs米国国債

日本国債vs米国国債

日本国債および米国国債の保有割合比較
図1. FRBの基本構造

日本国債の保有割合

  1. 日本銀行:51.7%
  2. 銀行等:13.6%
  3. 生損保等:17.0%

米国国債の保有割合

  1. 銀行等:55.5%
  2. 海外:24.5%
  3. FRB:13.2%

ここで注目すべき点はやはり中央銀行が保有する自国債の割合でしょう。

なぜ両国債で中央銀行の保有割合差が生まれるか?

ではなぜ両国の国債で中央銀行の保有割合差が生まれるのでしょうか。

端的にいうと 経済差 です。

もう少し掘り下げると、日本は失われた30年間のようにデフレ下であったのに対し、アメリカはインフレ下であったことに起因します。

それはデフレ下であれば金融資産的に最も価値が高い商品は現金、一方でインフレ下であればそれは現金以外の金融商品になります。

なぜならインフレするほど現金価値は目減りし、デフレするほど現金価値は増大するからです。

したがってアメリカでは銀行で国債をたくさん持っています。

詳しくは以下をご覧ください。

ではなぜ日本では中央銀行である日本銀行が一番国債を持っていることになるのでしょうか?

それはデフレ脱却のために行った2010年代のアベノミクス黒田バズーカにあります。

日本国債はアベノミクスによって日銀がたくさん買った

まず2000年から2012年まではリーマンショックなどもあって、とくに2010年はデフレ絶頂期でした。

その後2012年に安倍政権が誕生し、日本経済を立て直すべくアベノミクスがはじまりました。

狙いは金融政策はゼロ金利政策で、あらゆる金利がゼロに近づくと企業は借入をしやすくなることです。

やり方は簡単で、日本政府発行の市場に出回っている国債を日本銀行が買い占めることで、国内のあらゆる金利をゼロに誘導していきました。

これを俗に黒田バズーカと言い、結果的に直近で51.7%もの国債を日本銀行が保有していることになりました。

デフレ脱却のために日本もインフレ目標2%の恒久化を

アメリカのインフレ率は原則2%前後をターゲットとしてしています。

これは雇用の最大化と物価の安定を追求すると2%となります。

Federal Open Market Committee (FOMC) judges that inflation of 2 percent over the longer run, as measured by the annual change in the price index for personal consumption expenditures, is most consistent with the Federal Reserve’s mandate for maximum employment and price stability. https://www.federalreserve.gov/faqs/economy_14400.htm

そのためアメリカのインフレ率は高くなっていてマイナスはありません。

アメリカのcoreインフレ率(20240310)1
グラフ1. アメリカのコアインフレ率

では、日本はどうかというとそこまで達成していないことが現状です。

日本の経済のために消費活性化されインフレ目標をコアインフレ率で2%にするべきだと考えています。

まとめ

この記事のポイント

  • 日本国債は日銀が、米国債は国内金融機関が最多保有
  • 保有差は国内の経済差(つまりデフレかインフレか)
  • 目標をコアインフレ率2%以上を