【歴史に学ぶ】地図からみる人の動きと地政学

投稿日:2019/4/29

更新日:2019/9/5

 

どうも、あおりんご(@aoringo2016)です。

 

最近新聞やニュースをみていると「地政学的に」とういうワードを見たり、聞いたりしませんか?

「そういや聞いたことあるけど、難しくてよくわからないなぁ」

と感じている方も多いかと思います。

 

そこで今回は地政学について、地政学の祖ともいうべき人から世界地図を基にした大陸上での地政学(人の動き)を簡単にご紹介したいと思います!

 

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地政学_0
図0. 地政学

地政学とは

まず地政学と聞いて、何を思いうかべますか?

地の政治学?

 

そうです!

つまり

 

地政学(Geopolitics):地理から政治を考える学問(考え方)

 

です。

自然の地理を理解し、そこから各国の政治を考えるということです。

 

地球は大きく2つに分けることができます。

それは、 です。

 

人々(諸国)の動きは 地球の自然 に左右されます。

 

例えば難しいといえば、昔は飛行機も車も電車もありませんでした。

  • ヒマラヤ山脈を越える
  • サハラ砂漠を越える
  • 喜望峰を越える

などなど、、

 

それは、生きるための食料や水などを補える場所が少ないからです。

人はそういう通りにくい土地は避けようとします。

 

ちなみにアフリカの最南端である喜望峰をはじめてまわったのはバスコ・ダ・ガマで、つい500年前のできごとです。

 

このように人の動きというのは自然に左右される、ということです。

地政学は、地球の自然環境が国家の政治的な動きや影響に注目した学問や考え方と言えます。

地政学の祖

そんな地政学という概念ですが、1900年代前後に活躍した地政学の祖が2人がつくりあげました。

 

ハルフォード・ジョン・マッキンダーアルフレッド・セイヤー・マハン です。

 

地政学の本を読んでいれば必ずこの2人が登場し、どちらも自然の地形から戦争の戦略を考えていました。

 

ハルフォード・ジョン・マッキンダー

1861年~1947年

イギリスのゲインズバラに生まれました。

その後オックスフォード大学で法律を学び、地理学に転じました。

オックスフォード大学地理学院初代院長を努め、ロンドン大学政治経済学院院長などを歴任しました。また1910年~1922年に下院議員も務めています。

 

マッキンダーが最初に地政学を考えたと言われており、ランド・パワー(陸上兵力) について説いていました。

 

アルフレッド・セイヤー・マハン

1840年~1914年

アメリカのニューヨーク州に生まれました。アメリカの海軍士官、海軍史家、海軍戦略家で、海軍少将も務めていました。また海軍大学校校長を務め、海軍戦略を講義していました。

 

マッキンダーとともに地政学の祖としても知られていますが、マハンは一方で シー・パワー(海上兵力)について説いていました。

 

世界地図(大陸)からみた人の動き

さて、そんな地政学ですが、今回は昔の人は地理的にどういう動きしてきたのか、見ていきたいと思います。

世界地図の大陸をみながら人の動きをざっくりと確認しましょう。

 

注意点

  • 今回は主にランド・パワーを論じたマッキンダーの説明
  • Google Mapを利用
地政学_1
図1.

日本はほんと大陸の端っこですよね笑

それではこの画像をもとに説明していきましょう。

 

5つの地域

地政学_2
図2.

まず、地図上では以下の5つの土地にわけられます。

  • ハートランド(北と南)
  • 沿岸地域(東と西)
  • アラビア
  • 砂漠

ハートランド(心臓地帯)

ハートランド:海につながる道は遮断されて、また雨も少なく、人が住みにくい土地。大陸の中心ともあって、心臓という意味。

 

今では空路や鉄道が通っていますが、それもこの100年くらいに通れるようになりましたので、それまでは分断されていた土地です。

 

沿岸地域

沿岸地域:海に面しており、人が唯一たくさん住んでいる土地

 

アラビア

アラビア:沿岸地域と比べれば砂漠があり、海への道もナイル川、紅海、ユーフラテス川で遮断さているが、まだ人が住める土地

 

砂漠

砂漠:サハラ砂漠、イメージするだけで人が住めそうにない土地。

 

氷:ロシアのこの地域は氷に覆われた場所で、人が住める土地ではない

 

地政学_3
図3.

そして、図3.のように人が住みにくい土地(ハートランド、アラビア、砂漠)を結ぶと赤い線で囲われます。

 

ここは人にとって分断された土地といえます。

 

ここは陸地を横断するベルトのようにつながっていますので 分断されたベルト と呼ぶようにします。

分断されたベルトと人口

地政学_4
図4.

このように分断されたベルトを見ると、人が住んでいる土地が両極端に分かれることがわかります。

 

東側と西側ですね。

 

この土地は沿岸地域と呼びました。

大陸の中で人が唯一住めた土地だったんですね。

 

なぜここに人が住めたのでしょうか。

 

地政学_5
図5.

この地域は海が近いということもあり、海から流れてくる モンスーン偏西風 の影響により沿岸地域に をもたらしてくれました。

 

風が雨を運んでくれたおかげで農作物がよく育ち、 食料が確保できました。

なので人が住めたわけですね。

 

ちなみに、ハートランドでは雨もふらず分断されていますので、なかなか人が住めませんでした。

 

地政学_6
図6.

現在の人口は以下のとおりです。

東の沿岸地域(アジア):35億人

西の沿岸地域(ヨーロッパ):8億人

 

たくさんいますね笑

現在はこの2つの沿岸地域に世界人口の半分が住んでいるということになりますね。

 

ちなみに余談ですが、なぜアジアとヨーロッパという名前かご存知でしょうか?

アッシリア語で

東(日の出):Asu

西(日の入):Ereb

からきています。

 

分断されたベルトの中のアラビア地域

地政学_7
図7.

アラビア地域は、図7.のように黄色で囲った土地は山脈と砂漠があり非常に厳しい場所であると伺えますが、その中でも、農耕ベルトと呼べる土地はアラビア地域で人が唯一住めました。

 

ここにも、上記した沿岸地域と同様の理由で雨が降ったため、農耕ができました。

 

この土地には王国や文明も栄えていました。

地政学_8
図8.

その文明は世界史の教科書にも散々出てきたように、

それは エジプト文明メソポタミア文明 です。

アラビア地域でも唯一人が住める土地に偉大な文明が栄えたんですね!

大陸の交差点

地政学_9
図9.

分断されたベルトというのは人がなかなか住みづらく、砂漠や山脈があるため移動にも適しませんでした。

そのためこれらの地図から見てもわかるように、分断されたベルトの中でも人が唯一住め、移動しやすいため アラビア地域が2つの沿岸地域の交差点 となりました。

 

アラビア地域は争いごとも 絶えない土地 として知られています。

その理由はこの地図でもわかるように、3方向(ヨーロッパ側、アジア側、アフリカ側)から人が交差する土地だったからですね。

3つの異なった人種が交わる土地ですから、そりゃ争いも絶えないですよ。

 

今日でもよくIS(イスラミックステート)の話題がでたりしていました。

そして近代の中東問題は、イギリスが三枚舌外交をやったおかげですごく解決しにくい問題になっています。

三枚舌外交は「アラビアのロレンス」が有名な映画ですよね。

 

世界のへそ、エルサレム

地政学_10
図10.

この赤丸は、2つの沿岸地域がアラビア地域で交わる交差点であることがわかりました。

で、これはぼくも丸を書いてみたあと「あっ!!!」とおどろいたのですが、この丸のさらに中心には何があるかわかりますか?

地政学_11
図11.

そう、世界のへそ、エルサレム です。

本当に世界のへそとも言える交差点の中心にエルサレムがありました。

不思議ですよね笑

 

エルサレムといえば、3つの宗教の聖地です。

  • ユダヤ教
  • イスラム教
  • キリスト教

 

ぼくはあまり宗教関係のことは詳しくありませんので、詳細は書かないでおきます。

地図と人の動き

このように人は食料も水もない地域では動けません。

したがって人が動ける範囲は自然(地球の地形や環境)によって限られることがわかりました。

またその中でも比較的人が通りやすい道を進んでいくと、大陸の交差点がアラビア地域になることがわかり、そのなかでも真の中心がエルサレムであることもおどろきでした。

そしてこの地域は大陸の交差点であるため、非常に争いごとの多い地域でもありました。

 

地政学を知る意味(まとめ)

最近、よく話題に「地政学」ということばをよく聞きました。

最初はどういうことかな?とすごい疑問でした。

ですが、調べていくうちに人が地球の自然にそって政治的に動いてることがわかりました。

 

20世紀のうちには、世界最高峰のエベレスト登頂を達成し、またアムンゼンやスコットの冒険家のおかげで南極点や北極点にも足を運ぶことができ、世界の地理的観測はほぼ終わりました。

そして、人は地球から一番近い衛生である月にまでたどり着くことができました。

 

21世紀ではインターネットの時代に入り、世界各国は盛んに宇宙衛星を打ち上げ、宇宙から世界を監視する(できる)ようになりました。

 

そんなわけでGoogle Mapが使えているのですが。

20世紀前半にもどって、マッキンダーやマハンにiPadを渡したらなんと言いますかね?

「オーーーーーマイガーーーーー!!!!!」

とかですかね笑

 

では21世紀は、人はどういう動きをしているのでしょうか。

それはサイバー空間ではないでしょうか。

人は地図上では見えないところで戦っています。

では、地政学という考え方は関係なくなるのでしょうか?

 

そんなことはないと思います。

地理的な位置をみて、世界がどう動こうとしているのかを考えると、非常におもしろい動きが見えてきます。

例えば、日本は地理的にもすごく近い中国、韓国、北朝鮮、ロシアなどの動きには政治的な動きが盛んに見られます。

また、中国に目を向ければ習近平国家主席が南シナ海に進出しようとしたり、一帯一路構想を進めていたり、トランプ大統領がメキシコとの国境に壁を作ると言ったりイスラエルの首都をエルサレムと認めたり、、それらはすべて地政学的動きと言えます。

 

人が地球に住んでいる以上、いつの時代も地図をもって動くことは至って普通のことです。

また、テクノロジーの発達によって一段と世界との距離はグッと近くなりました。

一方で、人との交差はそれにともなってリスクも生じます。

そういった視点を「地政学的リスク」と言います。

 

おそらくこれから地政学、または地政学的リスクといったことばをより耳にするでしょう。

そんなときに少しでもこの記事を参考にしていただければと思います。

 

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参考文献

  • H・J・マッキンダー(2008)『マッキンダーの地政学』原書房.
  • A・T・マハン(2017)『マハン 海戦論』原書房.
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