2-2. 【まとめ】日銀短観

【まとめ】2019年7月発表の日銀短観をわかりやすく解説

1907_日銀短観

どうも、あおりんご(@aoringo2016)です。

 

2019年7月に日銀から日銀短観が発表されました。

今回の発表データは2019年6月での統計です。

日銀短観は現状の日本経済を知る上で、とても重要な指標となっております。

そんな指標をかんたんに見ていきたいと思います。

日銀短観に関しては以下の記事で解説していますので、合わせてご覧ください。

日銀短観を読むために抑えるべき3つのポイントとは1
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日本経済、とくに製造業は米中貿易摩擦の影響を受けているためか、2019年3月の短観よりも悪化していることがわかりました。

 

それでは見ていきましょう。

業況判断DI

まずは業況判断DIからです。

景気判断DI_1
図1. 業況判断DI(日銀短観より)
景気判断DI_2
図2. 業況判断DI(日銀短観より)

全産業において、2019年3月よりも悪化していることがわかります。

 

製造業は変化幅が軒並みマイナスとなっています。

これは株価にも影響が出ていることがわかり、シクリカル銘柄に関しては下落基調が目立ちます。

 

一方で詳細をよく見ていくと、製造業は悪化しているのに対し、非製造業は改善されていることがわかります。

 

とくに非製造業の中の『物品賃貸業』や『卸売』、『小売』、『運輸・郵便』が改善されていることが見てわかります。

 

物品賃貸業とは、産業用機械器具や事務用機械器具、自動車などのモノを貸し借りするビジネスですので、いわゆるレンタル業が伸びていることになります。

景気判断DI_推移
図3. 業況判断の推移(日銀短観より)

また、業況判断の推移を見ていくと、非製造業は横に推移しているのに対し、製造業は2017年を堺に大きく下落しています。

需給・在庫・価格判断

つづいて、需給・在庫・価格判断に関してです。

需給_在庫_価格判断
図4. 需給・在庫・価格判断(日銀短観より)

これらを確認すると、国内での商品やサービスが供給しすぎていることがわかります。

一方で海外で売れているのかというと、そういうわけでもないようです。

 

また在庫水準も増えてきていることがうかがえます。

 

販売価格に関しては、下がっています。

 

これらのことから、モノ余りが起こっており、企業在庫も溜まってきているので、企業も価格を下げてモノを売らないといけない状況、と判断できます。

売上・収益計画

最後に、売上・収益計画についてです。

売上
図5. 売上・経常利益(日銀短観より)
純利益
図6. 売上・収益計画(日銀短観より)

業況判断DIや需給・在庫・価格判断からわかるように、最後の売上高(計画)を見ていくと、やっぱ 売上が上がりにくい状況にあることがわかります。

損益計算書の構造上、もちろん売上が上がらなければ利益も確保できません。

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利益に関しても、非製造業は維持している傾向にあるものの、製造業は軒並み悪化しています。

まとめ

今回は、先日発表された日銀短観について重要となる3つのポイント(業況判断DI、需給・在庫・価格判断、売上・収益計画判断)を確認していきました。

ご覧いただいたように2019年3月よりも悪化していることがわかりました。

 

大きくダメージを受けているのは製造業でありましたが、非製造業は維持もしくは上げ基調であることもうかがえました。

 

投資するのであれば、現状は製造業よりも非製造業のほうがいいかもしれません。